ワイ無個性だけどプロヒーロー目指すンゴwww   作:一般通過なんJ民

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掲示板ならスラスラ書けるのに三人称になると途端に進まなくなる。


無個性と実技試験(前半)

 

 

"その場"に集まる受験生たち。彼らは総じて精神統一を図っていた。

今から始まる実技試験。あの雄英の試験。

どんな試練が待ち受けてるのか、誰もが緊張するそんな時間。

 

そんな中で無個性の男は──

 

「イッチ、ニ、イッチ、ニ──」

 

──スタートライン手前でラジオ体操をしていた。

 

彼は武術家である。常に臨戦態勢に整えておくことを信条とする彼に戦う事に対する心の準備などいらないのである。

 

必要な準備と言えば体の慣らし。

怪我が1番怖いものだ。怪我予防のための準備運動、これだけが、この一つだけが彼にとって重要なことだ。

 

関節を曲げ伸ばし、筋の柔軟。そして最後に深呼吸。

さて、準備は整った。後は合図を待つのみ。

 

何時でも飛び出せるようにクラウチングスタートの構えを取る。

 

ちなみにスタートラインの手前、誰よりも前にいる彼だが邪魔にならないようにしっかりと隅の方に位置している。

 

地面に手をつけ、おしりを上げ、顔は前。準備は完璧に整った。

そして──

 

 

 

 

 

「ハイスタートッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピクッ…

 

 

 

ドンッ……!!

 

 

 

 

 

スタートダッシュは決まった。

唐突な合図に固まる受験生たちの中でこの男だけが戸惑うことなく足を動かしていた。

 

彼の脚力は100mを8秒弱で走る。

 

故に他の受験生たちが教師の声で我に返っていた時には既に市街地を模した演習場に立ち並ぶビルの影へと隠れていた。

 

 

 

 

 

『目標補足ッ!ブッコロ──』

 

物陰から飛び出すロボへと走りの速度のまま拳を振るう。

鉄に風穴が開き、仮想ヴィランの体を貫通する拳。

 

すぐさま拳を抜き、次なる相手へ。

 

蹴りを見舞い、時には肘を、果てには頭突きでロボを次々となぎ倒していく。

 

「多対一じゃあ常に動き続ける多対一じゃあ常に動き続ける──」ブツブツ

 

覚えたことを意識しながら油断なく。

 

「拳は踏み込みを意識、蹴りは鋭く最短で、間合いはゼロ距離で──」

 

そうして気がつけば周りのロボは全て粉々、地面には亡骸だけが転がっていた。

 

拳にも違和感は無い。鉄に負けて砕ける様子は皆無。

車を殴り続けていた彼の拳はもはやそこら辺の石ころにも負けず劣らずの硬さに鍛え上げられている。

 

そこにプラスされるのは身につけた武道の技。

この男の拳は見た目以上の破壊力を得ていた。

 

「次はどこに行くかな……」

 

切り替え場所を移動しようとした時、ちょうどその場に何人かの受験生がやって来た。

ようやくハジメへ追いついた彼ら。しかし、その場には既に仮想ヴィランは倒し尽くされている。

そんな彼らに心の中で謝りつつハジメはその場を後にした。

 

 

 

 

移動した先はもはや戦場。

何人もの受験生たちが我先にとロボを壊そうと血眼で走り回っていた。

 

当然安全を確保、なんてことは考えていない。

 

「大丈夫?」

「あ、ありがとうございます…」

 

誰かが壊したロボの破片が他の受験生に当たりそうになるのを防ぐ。

 

──仕方ないか

 

そう思いつつ彼はまずは安全を確保するため破壊されたロボをひとまとめに掃除。その流れで危ない受験生のサポート。

 

ポイントなら先程の場所でそれなりに稼げている。

合格は大事だがそれ以上に怪我をしないことも大事だ。

 

「あ、それそっちにまとめと──」

「うるせえ!そんな暇ねえよ!」

「………」

 

指示を出すと返ってくるのは怒号。

まあ自分でやればいいかと破片を片付けていく。

 

ポイント稼ぎに夢中になる受験生たち。そんな彼らを見てハジメはなんだか複雑な気持ちになっていた。

 

自分の目指すヒーローはこんなものだったのか?

 

理想と違う姿に少しばかり戸惑いがあった。

 

「ねえ何してるの?」

「ん?」

 

背後からかかる声。

しかし、振り返っても誰もいない。気のせいかと思い視線を前に移すと、

 

「無視しないでよー」

「んん?」

 

やはり聞こえる声。

手を広げ、まるで寝起きでメガネを探す人のように辺りをまさぐってみる。

 

すると何かに当たる感触。いや当たると言うより手のひらが包まれたようなそんな感じだ。

人の肌と同じ温かさ。

 

「……ああ、手かこれ」

「せいかーい!」

「透明になる個性かなにか?」

「そうだよー」

 

見えはしないが手をブンブン振られ何も見えない虚空と握手。妙な感覚である。

声からして女子だろうか。見えないから何も分からない。

 

「……そんなに見つめられると照れちゃうなー」

「いや、見えないんだけどね?……それで何か用?」

「んー、いやさっきから何してるのかなーって」

 

残骸を片付けていたハジメを気にして話しかけてきた透明女子。

そんな彼女に彼も友好的に答えた。

 

「残骸放置してたら誰かが足引っ掛けて転ぶかもでしょ?自分のポイントはそれなりに稼げてるし、とりあえずみんなのサポートでもしようかなって……」

「それいいねー。私も手伝うよ!」

「え?でもポイントとか大丈夫?」

「私個性で透明だから、こっそりロボの配線切ったりしててそれなりに稼げたから大丈夫だよ!」

「……そかそかじゃあ一緒にやろっか。あっちの方頼める?」

「おっけー!任せてよ!」

 

こうしてハジメの協力者となった透明女子。

片付けつつ、怪我をした受験生を2人で協力して安全な場所に運び、周りの受験生のサポート活動に励んでいた。

 

「──よし、まあこんなもんでいいか」

「ふぅ、意外と大変だねー」

 

疲れたような表情。

こった肩を揉むハジメと元気そうな透明女子。

 

周りのロボも数を減らし、肩で息をする受験生ばかり。

試験も終盤。そんな中──

 

「「……ん?」」

 

 

 

 

 

──地面が蠢き出した

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