ワイ無個性だけどプロヒーロー目指すンゴwww   作:一般通過なんJ民

21 / 32
暇だったから続きを追い投稿。

そう言えばお気に入りが6000超えてましたね。ありがとうございます。


無個性の個性把握テスト

 

 

 

 

 

「「「個性把握テストォ!?」」」

 

 

雄英高校、入学初日。

ヒーロー科A組の一同は驚きの声を上げた。

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」

 

1人の女子生徒が担任を名乗った教師、"相澤消太"に食ってかかるが彼はどこ吹く風といった様子。

 

「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り」

「「「……?」」」

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50メートル走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈、中学の頃からやってるだろ?"個性禁止"の体力テスト。……国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」

 

そうして辺りを見渡す相澤。

一度、ハジメと目が合うがすぐに視線を逸らし、次に視線が向かった先は、

 

「爆豪、お前中学の時ソフトボール投げ何mだ?」

「……!67m」

「んじゃ個性使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。はよ」

 

そうして渡すボール。

それを手にした爆豪は悪そうな笑みを浮かべながら円の中へ入り構えた。

綺麗な投球ホーム。そこから繰り出される投擲、それに個性を上手く乗せボールは空高く飛んで行った。

 

「死ねぇぇぇぇぇぇッ!」

 

(((…………死ね?)))

 

そうして、相澤が手にした端末に記録が表示される。

 

「まずは自分の"最大限"を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

見せられた画面、そこに書かれていた記録は"705.2m"。

通常なら絶対に成し得ない記録だ。

 

「なんだこれ!すっげー面白そう!」

「700超えってマジか!?」

「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」

 

みなが口々にする興奮。

反応は様々だが一様にテンションが上がっていた。

だからこそ気づかない。相澤の纏う雰囲気が一変したことに。

 

「面白そう、か………これからヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気なのかい?」

 

「「「……!?」」」

 

「よし、トータル成績最下位は見込みなしと判断し除籍処分としよう」

 

「「「は、はあああああ!?」」」

 

この時、ハジメは気づいていた。

目の前の男の目は"マジ"だということに。

 

本気で除籍にしようとしてる。気を引き締めるためとはいえ少々提示する壁が高すぎる。

 

「生徒の如何は俺たちの自由。ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ」

 

そう言って不敵に笑う相澤を目の前にハジメもまた清々しい笑顔で気合を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは"50m走"。

ハジメの出席番号は16。この競技は出席番号順で2人ずつだ。つまり一緒に走るのは出席番号15の"彼"。

 

「よろしくね」

「…………」

 

ハジメの挨拶に無言を貫く白髪と赤髪をハーフハーフにした少年。名は"轟焦凍"。どこかで見たことあるような雰囲気を纏う彼。

そんな彼を……正確には目を見てハジメは厄介そうな人だなあなんてことを思っていた。

 

『よーい……スタート!』

 

記録係のロボの声で始まる50m走。

足の速さには自信のあるハジメ。しかし、横をちらりと見れば氷を次々に重ね前へと体を押し出すようにして移動する轟。

 

だが、僅差でハジメが速度を上回る。

 

一息ついてハジメが思った事は、"もはやあれは走ってないだろ"であった。

 

記録:4.03秒

 

 

 

 

続いては"握力"。

中学の時は針を振り切った握力計。

だが、今回は針表示ではなくデジタル表記のもの。最大で10トンまで計れる優れもの。

 

今回、初めてちゃんと自分の記録を知れるかと思うと少しだけテンションが上がっていた。

 

手をセット。

力を込め握り、筋張った筋肉と血管が浮き出てくる。

これ以上は無理だと思ったところで力を抜き、手をブラブラと振りながら記録を確認した。

 

左149kg

右153kg

 

まずまずか。ギネスには届かなかったがそれでもいい成績だ。

満足気に頷くハジメ。

 

「540kgって、あんたゴリラか!?いやタコか!」

「タコって……エロいよね……」

 

そんな中遠くから聞こえてくる声。

握力540kg、圧倒的大差の敗北。

 

ハジメのテンションが少し下がった。

 

記録:151kg

 

 

 

 

お次の種目は"立ち幅跳び"。

機動力確保のためにパルクールを練習しているハジメ。足のバネにはやはり自信がある。

 

足を解し、足首のしなやかさを最大限生かす。

まずは軽くやってみよう。

ラインに立ち、いざジャンプ。

 

『4m17cm』

 

記録係のロボの声。

4m超え……軽めにやったつもりだがいい記録だ。

 

ふんすと少しのドヤ顔を浮かべた。

 

記録:4m17cm

 

 

 

 

4つめは"反復横跳び"。

フィジカルモンスターのハジメ。この競技も自信はある。

 

地面への接地は最小限。爪先のみでの横移動。足首を意識し方向の切り替え。

それを20秒間、出来うる限りの最高速度で。

 

記録:102回

 

 

 

 

さて、やってきた"ソフトボール投げ"

自分より前の番で"無限"なんていうとんでも記録を叩き出した女子がいた。

 

そんな彼女に負けないように気合いを入れ直すハジメ。

円の中に立ち、構えを取る。

 

ステップも何もいらない。

野球のピッチャーが投げるような投げ方。

 

右腕を後ろ左手を前に、胸を張り、筋肉の筋が張り詰めるのを感じるほどの反り。

イメージはカタパルト。留めた全身のパワーを一気に右腕に持っていく。

 

手首と指先の意識。ボールを全力で押し出すようにリリース。

 

記録:107m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

動かし火照った体を休めるためにベンチへと腰かけたハジメ。

シェイカーに入ったプロテインを喉へと流し込み一息つく。

 

そんな彼の肩が唐突に叩かれた。

振り返るとそこには何も無い。気のせいかと思って前を向くと、

 

「無視は良くないよー!」

「……この声はいつぞやの透明女子か」

「せいかーい!」

 

そんな声とともにハジメの視界の横からとび出てきた宙に浮いた体操服。

顔も手も足も見えないが動きから楽しそうにしているのは分かる。

 

「やっぱり君も合格してたんだねー!私"葉隠透"、よろしくね!」

「並乃一、よろしくね」

 

手を出せば握られ、ブンブン振られる腕。

 

「お、あん時の」

「あ、上鳴」

 

そんなところに寄ってきたのは入試の時に協力してもらった電撃少年。

 

「ハジメ、だっけ?やっぱり受かってたんだな」

「おう、改めてこれからよろしく」

「ああ、よろしくな」

 

そうして上鳴とも握手を交わす。

早速出来た2人の友人。掲示板の住民には成し得ない所業である。

 

「それにしてもハジメすげえな。全種目好成績じゃねーか」

「確かに!」

 

ここまでの種目、どれも突出した記録は出せてないものの全ての競技で上位5位以内には入っている。

2人のハジメに対する評価としては可もなく不可もなく、もっと言えば器用貧乏ならぬ器用富豪と言ったところだろうか。

 

「やっぱり増強系の個性なの?」

「あー、それは──」

 

「SMASHッ!!」

 

口を開こうとしたハジメの言葉を遮った大声。

声のした方を向くと緑髪の男子生徒がソフトボール投げをしていた。

だが、ハジメが注目したのは彼の指。

腫れ上がり青黒く変色している。確実な骨折。

 

おそらく増強系。だが、体が個性についていけてない。

 

彼の肉体はそれなりの筋肉がついている。だが、趣味は筋トレ、特技は筋トレ、好きな物も筋トレのハジメからしたら彼の筋肉はまだ筋トレ始めたての体だと言うことも分かった。

 

あの個性を持ちながら鍛えてこなかったのか。それともそもそもが体質に合ってないのか。

正しく道具の使い方を覚えたばかりのホモ・サピエンス。

 

出力はオールマイト並。鍛えれば確実に強くなる。

 

「…………育ててみたいなあ」

 

筋肉は最低限あれど体の使い方がイマイチ。

武を嗜むハジメは彼の潜在能力と将来性に大きな期待を寄せていた。

 

そんな中、ハジメの横を飛び出していく人物が1人。

 

「どーいうことだコラ!ワケを言えデクテメェ!!」

 

爆豪だ。

 

それにビビる緑髪の彼を視界に収め、ハジメは立ち上がり走っていく爆豪を後ろから羽交い締めした。

 

「待て待て、こんなとこで喧嘩すんな」

「なんだ、誰だテメェ!離せやコラ!」

 

暴れる爆豪を諫めるハジメ。

 

この瞬間、爆豪の背中に少しの冷や汗が流れた。

桁違いのパワー、どれだけ身動ぎしても絶対に逃れられないレベルの拘束。

なまじ実力のある爆豪はそれを嫌に実感させられた。

 

「……よく止めてくれたな並乃。俺の個性をあまり使わせるな。俺はドライアイなんだ」

 

相澤消太、ヒーロー名イレイザーヘッド。

見ただけで相手の個性を消失させられるこの超人社会において無類の強さを持つ個性。

 

「個性強いのに勿体ないですよね」

「うるさいぞ。次投げろ」

 

離れる相澤。

それを見てハジメも爆豪を離す。

かと思ったら乱暴に振りほどこうとした爆豪の肘打ちが体に入った。が、別段大したダメージにもならない。

 

「………っ」

「………」

 

睨む爆豪と目が合う。

この少しの関わりだが目の前の男を少しだけ理解したハジメ。

 

「自尊心は大切だけど程々にね」

「……っ!……チッ」

 

舌打ちひとつに離れる爆豪。

ハジメは思わずため息をこぼした。

 

 

 

 

その後は"1500m走"と"長座体前屈"。

 

長座体前屈は日頃から欠かさない柔軟のおかげで普通に好成績。

 

1500mは──

 

 

「──原付はズルくない?」

「これも個性ですので。……それにしてもよく付いてこれますわね」

「ランニングなら10年ほど毎日走ってるからな。体力はあるんだよ」

「そうですか。……では、もう少々スロットルを捻りましょうか」

「なっ……ちょ待てよ」

 

 

 

──原付と繰り広げるデットヒート。

 

並走するポニーテールの女子生徒とバチバチ火花を散らせ合っていたが……さすがに文明の利器には敵わなかった。

 

ハジメはランニングの距離と走り込みを増やそうと決心した。




次回は戦闘訓練回。

……そういや感想で指摘した描写が無いって言われたけど、そげなバカなと確認したらちゃんと書いてるんだよなあ。
これはワシが悪いんか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。