ワイ無個性だけどプロヒーロー目指すンゴwww   作:一般通過なんJ民

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モチベがある時にどんどん投稿しましょう。


無個性の戦闘訓練

 

 

「よろしく」

「よろしくね!」

「よろしく頼む」

 

戦闘訓練。

屋内……ビルの中で行われるヴィランvsヒーローの構図をベースとしたもの。

 

ハジメが一緒の組になった2人。

彼ら3人はヴィランサイドとしてビル内部で核を守護する役割が振り分けられた。

 

「自己紹介しよー!私は葉隠透!見ての通り透明なの!」

「じゃあ……俺は尾白猿尾。個性はこのしっぽだ」

「俺は並乃一。まあ、身体能力が高いよ」

 

そんなハジメに対して2人が頭に思い浮かべていたのは個性把握テスト。

全ての種目で好成績。弱みが少ない増強系の個性持ち。そんなところだろうと感じる2人だった。

 

「作戦はどうするんだ?」

「ヒーロー側の個性分かる?」

「轟は氷だな。一緒に50m走った時に使ってた」

 

「もう1人は確か……障子目蔵、あの6本の腕で何か出来るんだろうけど……」

「個性が分からないと作戦も立てられないねー」

 

頭を悩ます葉隠と尾白。

そんな中、顎に手を当て考えるハジメ。

 

「……透明の葉隠が2人の個性を確認してもらって報告。そこから作戦を即興で立てるか?」

「前準備はしないってことか?」

「いや、流石に多少はするよ。ビル内にある物を諸々通路にぶちまけて進路の妨害とかな」

「まあ、それくらいしか出来ないか……」

 

核の置き場所は5階のいちばん広い部屋に。

部屋のど真ん中に置くことで奇襲にも対応できるようにする。

 

確保テープもいくつか張り巡らせとこう。そんな考えを続けるハジメ。

そんな横で葉隠は気合いの入った声を上げた。

 

「私本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」

「…………ふむ」

 

そうして宙に浮く手袋とブーツが投げ出された。

それを見てハジメは頭をかいた。

 

「なあ、葉隠。お前ってそれ……もしかして全裸?」

「うん!そうだよ!…………あんまり見ないでよー、恥ずかしいじゃーん」

「……………」

 

それを聞いて思い出すのは入試の時。

あの時も一切何も見えなかった。つまりあの時も全裸で、間違いがあったら葉隠のとある場所を掴んでいた可能性も………、

 

「ようし!2人とも頑張ろうか!」

「お、おう…!」

「うおー!」

 

……ハジメは考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『──こちらインビジブル。出入口前にヒーロー発見。障子君が腕の先に耳とか色々作ってます。どうぞ』

「……腕の先に体の一部を複製できる感じか。索敵特化。戦闘も6本の腕で手数もあるから厄介だな」

 

戦闘訓練開始。

早速伝えられた葉隠の情報をもとに相手の戦力をあらかた予想するハジメ。

 

今回、3対2の構図。だからハジメたちのチームは2人捕まった時点でアウトのハンデ持ち。最低限リスクを避けた動きが必要だ。

 

「ハジメ、どうする?」

「時間経過はこっちの勝ち。でも索敵できるなら時間稼ぎも出来やしない。しかも轟は個性の使い方とか素のスペックがそれなりに高い。極力戦闘は避けたいけどなあ」

 

隣で走った姿しか見た事ないが、それでもそれだけでおおよその強さを感じ取れた。

尾白や葉隠には荷が重すぎる。

やるなら障子に2人を当てて、自分自身で轟をやるのがベスト。

 

その形を作るためにどうするか。そんなことを考えていた時だった。

 

『──わあ!地面が凍って…!あ、ちょ…!足が氷漬けにされちゃった!』

「……!?」

 

唐突にインカムに聞こえてきた葉隠の声。

それの意味を理解したハジメはすぐさまヒーローコスチュームである羽織ったジャージを出来るだけ広げ、自分の体を包み込むように蹲った。

 

それを見た尾白は何がなんだかわからない。

しかし、次の瞬間、そのフロア……いや、ビル全体が凍った。

 

「……なっ!?くっ…!」

 

足が氷漬けの尾白。身動きはもう取れない。

 

轟の選択。ビル全体の凍結による速攻。

確かにこれならば核を傷つけずに敵も弱体化。更に時間もかけずに出来るまさに最適解。

 

 

 

 

 

 

「……仲間を巻き込まず、核兵器にダメージを与えず、尚且つ敵も弱体化…!」

「最強じゃねえか!」

 

モニタールームでもおおよそハジメの考えと同じ。

そんな中、1人の女子生徒が口を開いた。

 

「それにしても、並乃ちゃんは何をしてるのかしら?」

「確かにな。いきなり蹲ってそのまま凍らされてるけど……あれ大丈夫か?」

 

カエルの個性を持つ蛙吹梅雨の言葉に上鳴も同調。

 

果たしてあの行動になんの意味があるのか。

 

 

 

 

 

尾白とハジメのいるフロアへ足を踏み入れた轟。

 

「動いてもいいが、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」

「………!」

 

悠々と足を進める轟。

それを見ることしか出来ない尾白。

 

そんな時だった。

轟が通り過ぎようとした氷の中から、氷の破片を飛ばしつつハジメが飛び出してきた。

 

「……っ!お前…!」

「………」

 

ハジメのコスチュームは色んなものに耐性がある。

熱や刃、塵……そして低温にさえも。コスチュームで身を隠すことで体の凍結を防いでいた。

 

拳を構えるハジメにすぐさま反応する轟。

右足をハジメに向け凍結させようと氷を展開するが、足を止めずに轟から見て左側から突っ込んでくる。

 

「……チッ」

 

ハジメの意図を察した轟は、体の向きを変えつつ後ろへ下がる。

だが距離は近い。すぐに氷を作り牽制しようとしたが、今度は轟から見て右側へと姿を消した。

氷が邪魔でどこにいるのか一瞬見失う。

 

次の瞬間、氷の中から拳が飛び出してきた。

 

「クソ…!」

 

当たりはするが氷がクッションとなり威力は落ちた拳。

それでもガードに使った腕がジンジンと痺れる。直撃は避けたい。

 

氷を踏む音が2つ。両者互いに睨み合う形で相対した。

 

下手に氷を出せばそれを隙とばかりに攻めてくる。

それを理解した轟は攻撃を少し躊躇う。

 

対するハジメもこの間に轟の分析をまとめる。

氷の発動は右足。だからといって右足のみと決まったわけじゃない。右側ならどこからでも出せる可能性もある。

 

左側からの氷はまず無いだろう。攻めに行った時わざわざ体の向きを変えて右足から発動させてた。

 

そこまで読めた。

ひとまず攻撃を誘いたい。

 

そう思った彼は、その場でジャンプをした。

 

「……!」

 

轟もハジメの意図にはすぐ気づく。誘われてる。

だが──

 

「乗ってやる…!」

 

──数度ジャンプするハジメ。

地面から足が離れそうに、そして、数ミリ離れた瞬間。轟の氷がハジメの元へと迫った。

 

それを足を抱え体を高くまであげることで轟の氷を上から避ける。

 

「っ!?」

 

驚く轟。

 

戦闘において重要なことは2つ。

自分の得意を押し付けていく、もしくは相手が予想もしてなかった動きで翻弄していく。

 

右か左の選択しかなかった轟からすればまさに予想してなかったこと。

驚きにより数瞬の隙が生まれ、それを見逃すハジメでもない。

氷を移動するハジメは気がつけばまさに目と鼻の先。慌てた轟は氷の上にさらに巨大な氷塊を生み出し……直後、足に走る衝撃。

 

「次は下か…!」

 

氷から飛び降り氷塊を避けていたハジメ。

体勢低く足払い。宙に投げ出される轟へ手を伸ばす。

 

轟もまた氷を生み出そうとするが、しかし、ハジメのいる場所は轟の左側。場所が悪い。

すぐさまハジメは轟の右肩へと腕を回し、そのまま下へ叩きつける。

 

しかし、轟もまたすぐにその腕を掴み反撃しようと──

 

「個性使ったら反則負けだよ」

「……は?」

 

──離れるハジメ。

気がつけば轟の肩に白いテープ。確保証明のそれが巻き付いていた。

 

「個性の使い方が大雑把。付け入る隙が多いよ」

「……っ、チッ」

 

舌打ちと憎々しい視線のプレゼント。

決着は着いた。一息つき、残りのヒーロー側、障子の元へ向かおうと──

 

 

『終〜〜了〜〜ッ!!』

 

 

そんなアナウンスが流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁーい!勝った勝った!」

「ははは、まあ、俺と葉隠は何もしてないけどな……」

 

自分たちの番が終わり、モニタールームへと帰る間。

テンションの高い葉隠と落ち込む尾白。

 

「まあ、あれはしょうがないでしょ。俺もこのコスチューム着てなきゃ終わってたし」

「それでも凄いよ!」

 

高いテンションからハジメへ抱きついた葉隠。

その瞬間、ハジメの一切の動きが停止した。

 

意識してはいけないのはわかってるが彼もまた年頃の男子高校生。見えなくとも全裸の女子が抱きつくシチュエーション。

感触や、特有の匂いがハジメへ襲いかかり──

 

「私も見たかったなー、轟君対ハジメ君」

「…………」

「あ、先生に頼めば録画見せてくれるかな」

「…………」

「後で一緒に見よーね!」

「…………」

 

──この時のことを、その場にいた尾白は語った。

 

 

 

"あの瞬間ハジメが悟りを開いた仏様のように見えた"

 

 




葉隠との絡みはもはや修行のひとつ。
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