我が国だけのけものにはさせませんからな!   作:ヤチホコ

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今更かもしれませんが,いつの間にかUA数が100000を超えていたようです。また頂いた感想も100件に到達していました……。す,すごひ……!
読者の皆様に感謝しながら投稿する28話です! どうぞ!


28話 お前かーい!

~~ダーハラ湿原~~

 

皆さんどうも! 紙を渡して部下が鼻をかむのを見守るハムザ君です!

 

「ズズッ! この紙は家宝にしましょうぞ……! ズズッ!」

 

いややめてよ……後ですぐに捨てな?

 

そんなことよりも……。

 

「そなたの方が先に着いていたとは……我々もかなり早かったはずだが」

 

なんなら城を出たのは俺たちの方が早いまであるのに……。

 

そう言う俺に対してゾルデが答える。

 

「ンフフフ……! 我の遅れで我が君の手を煩わせるなど考えるのも悍ましき事態! 当然休みなくここまで参りましたとも」

 

……いやそりゃ君はできるかもしれないけれど部下は大丈夫? 置いてきたりしてない?

 

「他の者は一足先に建設現場に向かっておりますのでご心配には及びませぬ」

 

お,おう……心を読んだわけじゃないよね? ……というか黒騎士団の皆凄いな。

 

「プッチ~」

 

俺が何とも言えない気分になっていると,オセノンがゾルデの脚をポンと叩いてウンウンと頷いている。

 

 

「おお……! オセノンも先ほどは――」

 

「プチ……!」

 

「なるほど……! それは確かに――」

 

「プッチ……」

 

「ンフフ。となると原因は――」

 

 

二人は当然のように語り合っているが,これってツッコんじゃいけない感じですかね?

 

……というかなんで君はオセノンとそんなに通じ合ってるんですかねぇ?

 

……ジェラシー!!

 

俺が理不尽に1人で嫉妬していると,一通り話し終えたらしいゾルデがこちらに向き直って言う。

 

「やはり我が君のお考え通りのようですな……。先ほどの魔物は元は地下に生息していたようですが,ある時から体がおかしくなるような不快感に襲われるようになったことで移動してきたと……」

 

何が俺の考え通りなのかはわからないが……そうだったのか。

 

「心当たりがないこともなかったようですが,確かな原因はあの魔物自身にもわからぬようですな……」

 

……俺としても原因なら少しだけ心当たりがないこともないがな……だがそれは後にしよう。

 

「ふむ……だがその話は他の者も交えてした方がよいだろう。今は先を急ごうぞ」

 

「「「はっ!/プッチ!」」」

 

ちょっとしたハプニングはあったが,俺たち一行はゾルデを加えてさらに奥へと進むのだった。

 

 

 

「ゾルデ……」

 

「……なんなりと」

 

「……変わった目をした魔物の目撃情報が入ることがあれば教えてくれ。そいつは非常に危険な魔物やもしれぬのだ」

 

「……はっ!」

 

 

 

~~ダーハルーネ建設予定地~~

 

 

「ここにある建材はどこに持っていけば良いのでしょうか!」

 

「それはこっちだ!」

 

「こっちにももっと人を回してくれ!!」

 

「もう少し待ってくれ!」

 

 

俺たちはあれからしばらく進み,今回の目的地であるダーハルーネの町の建設予定地までやってきた。

 

そんな俺たちの目の前では騎士たちが作業をしており,今は町の入り口になるだろう部分に大きな灯台を作っているようだった。

 

お~。もう結構形になってるじゃん。

 

俺たちがその様子を見ていると,灯台の中から1人の騎士がこちらにやってきた。

 

「王子様! お待ちしておりました!!」

 

お,こいつは。

 

「ほう,そなたが迎えか"ゼイウス"よ」

 

「へい! ……じゃなくて! はい!!」

 

こいつは以前に城下町でいたずらをしていたガキ大将のゼイウスという男で,逃げ足の速さに目を付けた俺がとっ捕まえて騎士団に放り込んだのだが,今はここの赤騎士団で働いていたようだ。

 

「俺……じゃなくて! 私が是非にと上官にお願いしました!!」

 

「そうか……ではよろしく頼むぞ」

 

「はい!」

 

そこで俺たちは馬を預け,ゼイウスの案内に従って灯台の中に入って作業現場の奥へ向かうことになった。

 

 

「思っていたよりも作業が進んでおりますな……」

 

「ンフフ。確か開発計画の中で腕の良い建築家が見つかり,ここも設計などは彼女が担当しているとか……」

 

「確かにそのような報告があった気がします。とすると先ほどの見事な道の設計も同様に……?」

 

「そのようで……」

 

 

先輩とゾルデがそういった会話をしていると,前を歩いていたゼイウスが話し始めた。

 

「それはきっと"ランタナ"さんでしょう。彼女のおかげで当初の工期はそのままに,より良いものが出来上がっているようです。それに彼女だけでなく,夫妻でこの町の建設にかなり協力して下さっていますよ!」

 

「なるほど……」

 

……やばいな,この辺りの報告書に関しては一通り目を通してはいるはずだが,細かい部分は先輩に投げていたからよく覚えていない。

 

とにかく,やはり道中のアレらは同一人物の仕業だったわけだ。しかし工期がそのままならかなり効率化をはかったんだろうか? すごひ……!

 

心の中で作業を遅延させた犯人だと思っててごめんなさい!!

 

そう思って冷や汗をかいていると,ゼイウスがある部屋の前で足を止めた。

 

――コンコン

 

「ゼイウスです! 王子様たちをお連れしました!! ……上官やランタナさんたちはこの中にいらっしゃいます」

 

小声でそう囁いた彼がそのまま扉を開けると中には数人の人間がいた。

 

そして,敬礼をしていたおそらくゼイウスの言う上官さんだと思われるダンディーな騎士が最初に声をあげた。

 

「ご無事に到着なされたようでなによりでございます王子。私自らが出迎えることが出来ずに誠に申し訳ありません……」

 

「なに,気にすることはない。私は職務に熱心なその姿勢を咎めはせんよ」

 

「寛大なお言葉痛み入ります……」

 

いーよいーよそんなの! 作業滞らせる方が申し訳ないし……。

 

「……それで,そこにいるご婦人が噂の?」

 

「ええ,我らに協力してもらっているランタナ殿です」

 

彼がそう言うと,部屋の中にいた女性が顔をあげた。

 

「ご紹介に与りましたランタナです……お会いする機会を頂けて光栄です殿下」

 

そう話す彼女の顔を見てみる。

 

うーん……気のせいかもしれないが,どこかで見たことがある気がするんだよな~。

 

でもそんなことわざわざ口にしたらナンパみたいだから言わないけどね?

 

だってゼイウスの話を聞いた限りでは彼女って既婚者だよ? 最悪の場合だと空気が死んでしまうかもしれない。

 

俺がそんなことを思っていると,突然後ろの扉が勢いよく開いて1人の男性が中に入ってきた。

 

「お待たせしました! ラハディオが眠ったので戻ってきましたよ!」

 

「「「……」」」

 

……一応俺は気配に気づいていたからフリーズしなかったが,歴戦の我が部下たちまで一瞬フリーズさせるとは……こやつ,出来る……!

 

といった冗談はいいとして……それにしても彼もどこかで見たことがある気がするな~。

 

「……え? ……えぇ!? 王子様!?」

 

「もう! ノックくらいしなさいっていつも言ってるじゃない!」

 

さっきまでのお淑やかな様子はどこへいったのか,ランタナさんが大声でその男に向かって叫ぶ。

 

「す,すみません!! やり直します!」

 

「やり直すなー!!」

 

…唐突に始まった2人の漫才はさておき,おそらく彼らは夫婦だろうな。そしてこの2人が並んでようやく思い出したが,彼らはたしかデスコピオンに襲われていた商人夫婦だ!!

 

あの日の出来事は数年前とはいえ印象的すぎて戦いの前後のことまではっきり覚えているので,ほぼ間違いないだろう。

 

……それにしても彼ってばさっきラハディオがどうとか言ってなかった?

 

お,俺の気のせいかな?(震え)

 

「こ,こら2人とも! 王子の前だぞ…!!」

 

さっきの上官さんが慌てたように声をあげる。

 

へ~,その話し方的を見るに結構気安い関係なんだね。

 

それを聞いて2人も思い出したかのようにピタッと固まって少しの間見つめ合った直後――

 

 

――ダンッ!(ダンッ!!)(ダンッ!!!)

 

 

「「申し訳ありませんでしたーーー!!!」」

 

思わず3つのアングルで撮りたくなるような,五体投地の見事なジャンピング土☆下☆座を見せつけてきたのだった!!

 

こ,ここまでの一撃()を放てる逸材が在野に埋もれていたとは……!

 

……という冗談もさておき,ここは俺が何か言わないと進まないやつだ。とはいえこれは……w

 

「くっ……はははっ! 仲が良いようで結構だ! それに免じて今のことは私も忘れようではないか!」

 

くくっ……久しぶりにここまで笑ったな! 可笑しさ6割感動4割といったところだな。あとは何を免じるのかは俺にもよくわからないがそう言っておこう。

 

「ふぅ……それにしても久しいな2人とも……息災であったか?」

 

「!! は,はい! あの時はありがとうございました!!」

 

「まさか覚えていらっしゃったなんて……!」

 

俺の言葉に2人は驚いているようだった。そりゃまぁ顔は見たけれど話をしたわけじゃないからね。

 

現に俺もあの時のことでなければ覚えていなかっただろう。

 

「王子……2人と面識が?」

 

上官さんがそう尋ねてくる。

 

「ああ,以前に少しだけな」

 

俺はそう答えた。

 

そしてそのやり取りをしている間に先輩も思い出したようだ。

 

「!! もしや砂漠の殺し屋に襲われていた……!」

 

そうだよそう! 先輩は会話もしただろうし覚えてたのかな?

 

「それにしてもどういう経緯でここに……?」

 

「はい! それは――」

 

 

 

 

~ランタナ視点~

 

――バタンッ!

 

「ただいま帰りました!」

 

「あら,おかえりなさい。」

 

「とうしゃ~!」

 

「父さんですよ~! ラハディオ~!」

 

夫の"フェルナンド"はそう言って息子を抱き上げている。

 

私たち家族がここサマディーの国で暮らすようになってから少し経ち,彼もこの地での商いに随分と慣れてきたようだった。

 

一つの場所にこんなに長くいるのは偉く久しぶりだけれど,子供のことを考えても丁度良かったと思う。

 

「そうだ聞いてください! 実は最近この国が進めている西のダーハラ湿原の開発ですが……なんと私もお手伝いすることになったんです!!」

 

「へ~! それはどうして?」

 

「聞いたところによると開発の後には町を建設する予定があるそうなのですが,そこで一部の商人に対して資金や物資の輸送をお手伝いすれば優先的にお店を出させてくれるという話がきたんです!」

 

なるほどね……お国もそういうこともするものなのかしら。

 

「でもそんなもの皆やりたがるんじゃないの? よく参加できたわね」

 

「そこはもちろん私の日々の頑張りですよ!」

 

そう言って彼は胸を張る。

 

ふふふ,もうすっかりこの町でも一廉の商人ね。

 

「そこでですね……こんなものを頂いてきたんですが君は興味ありませんか?」

 

そう言って彼は一枚の紙を机の上に乗せて見せてくる。

 

これは……開発のための人材募集?

 

「どういうこと?」

 

「どうやら今回の開発に役立つ技能を持った人材を騎士団が募集しているらしいんです。君の建築家としての腕があればきっと大役を任せてもらえますよ!!」

 

そう言って彼は身を乗り出してくる。

 

確かに私の親はバンデルフォンの有名な建築家で,私も幼いころから色々と教えてもらっているけど……。

 

「流石に無理よ。そもそも特別な実績もないし……何より子育ても忙しいじゃない」

 

私はそう言って現実的ではないと話す。

 

「もったいないですよ! この立派な家も君が建てたんですし絶対できます! それに子育ても僕がやりますから!」

 

そう言って机に手を置いて飛び跳ねている。

 

「ん~ぴょん! キャハハ!!」

 

ああもう……!ラハディオも真似しようとしてるじゃない!

 

はぁ~,こうなった彼を説得するのは骨が折れるのよね。いつもは大人しいのにどこからこの熱意が湧いてくるのかしら……。

 

まぁそんなところも好きなんだけどね……。

 

それに少し面白そうだと思っているのも事実ではある。

 

「もう……わかったわよ! けどダメ元だからね……!」

 

「はい! 絶対大丈夫ですよ! ですよねラハディオ!!」

 

「だいじょ~!」

 

全く……話を聞いてたのかしら?

 

……でもせっかくならやれるだけやってみなきゃ損よね!!

 

その後,私の案が書かれた書類が認められて正式に採用されるのにさほど時間はかからなかった。

 

 

 

 

~主人公視点~

 

話を聞いたところ,ランタナの才覚が採用者を唸らせたようだね。

 

更にここに来てからも彼らの人柄ゆえか,先ほどのゼイウスの話を聞いていても分かるように騎士たちからの評判も良いみたいだ。

 

それにしてもあれからサマディーに住んでいたとは知らなかったな~。

 

いや~ホント世界は狭いね!

 

……そして彼らが原作キャラであるラハディオの親である可能性も俺の中でうなぎ登りだ。

 

偶然にも同名なだけだと考えたいが,普通にそちらの可能性の方が低そうである。

 

え……てことはもし仮にサソリに襲撃された時に彼らを助けていなかったら原作キャラが死んでいた……ってコト!?

 

……胃が痛くなりそうだからあまり深く考えないようにしよう,そうしよう。

 

「なるほどな…だがもしかするとこの出会いも大樹の導きなのやもしれん。是非引き続きこの町の建設にも力を尽くして欲しい」

 

「「はいっ!!」」

 

よし,この世界で使ってみたい言葉ランキング上位のセリフをまた言えました!!

 

「さて,話は変わるが我らがここまで来る道中で少しばかり気になる問題が起きてな……早速そのための話をしたいのだが」

 

このタイミングで悪いと思いつつも俺がそう切り出すと,騎士以外の者は空気を読んで速やかに退出してくれた。

 

それを待ってから俺は次の言葉を紡ぐ。

 

 

「まずその話の前に聞くが……最近この湿原で変わったことが起きてはいないか?」

 

 

 




大樹はなんでも導いてくれるんだ!()

あとどうでもいい話ですが,ダイ大のゲームのバランさん強すぎません…? ドラクエ11のウマレースやモンスターズの低確率スカウトくらい挑んでようやく勝利! アクション苦手には辛ひ……!!

それではまた!('ω')ノシ

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