その日の広場は妙に騒がしかった。
武器の名前やアクセサリーの名前が行き交う広場内を、男とにゃん太郎は歩いていた。
「なんだか今日は騒がしいのにゃ」
「あ、あー。そういえば今日はオークションだったなー。そういえば今日はちょっとお金あるなー。そうだ! 俺たちもオークションに参加するっていうのはどうだいにゃん太郎?」
「なんだにゃその棒演技。最近お金を無駄遣いしてないと思ったらオークションのためだったのかにゃ」
「いやぁ、久しぶりのオークションだし、メイン武器も無くなったしね?」
「+4武器なんて通常最高ですら幸運なのに、何故超成功なんて目指してたんだにゃ……」
男は珍しくマーの入った財布をじゃらじゃらと鳴らし、人混みの中に入った。
ちなみに踏まれては困るので、にゃん太郎は男の頭の上に載っている。
「800!」
「900!」
「1050!」
「ついに4桁! これより高い人はいませんかー?」
「おーおー、やってるなぁ」
「あの人たちのマーはどこから出てるのにゃ?」
「かきん……お布施?」
「ん? もっと大きい声で言うにゃ」
「神様にお布施したらマーが貰えるというか……。深いことは考えちゃダメだ」
「よ、よくわからないけど、闇が深そうだにゃ」
男は恐ろしいスピードで値段の上がっていくアクセサリー達を、遠い目で見た。
「……俺らにはちょっと厳しい場所だったかもしれないな」
「所詮付け焼き刃のマーだにゃ。にゃーのエサ代にするにゃ」
「それはちょっと……。あれ、あっちでなんか騒ぎが起きてる」
「だってマーがないんだよ! 仕方ないじゃん! 俺だってやりたくないよ!」
「竜王ちゃんの脱ぎたて装備オークション……?」
「竜王ちゃんの脱ぎたてオークションだって!?」
そこでは、真ん中で竜之王と自称している竜王ちゃんがストリップオークションをしていた。
「竜王ちゃんの防具は俺のものだ……っ!」
「足具は誰にも渡さない! 倉庫に大切に保管するんだ!」
「お前らには絶対に負けねぇ!」
中央には竜王ちゃん、そしてそれを取り囲むようにたくさんの人々が群がっていた。
「恥ずかしくない、恥ずかしくなんてないんだ! ただ装備を売って金にするだけ!」
「耳が赤い! 恥ずかしがってるぞ竜王ちゃん!」
「恥ずかしがってない!」
そういうと、竜王ちゃんは装備をゆっくりと脱ぎ始めた。
にゃん太郎は男の目を肉球で塞いだ。
「にゃん太郎」
「なんだにゃ」
「そのぷにぷにの肉球を離せっっ!」
「それをしたらR18になっちまうにゃ」
「それでも構わん!」
「構うにゃ!」
にゃん太郎に指示されながら、目を塞いだ状態で男は広場から出た。
時折聞こたえる「全然恥ずかしくねぇよ!」という竜王ちゃんの声に体を止めながらも。
竜王ちゃん……一体誰がモデルなんだ……?
竜王ちゃんは星屑リングをあげると喜びます。彗星之リング……うっ頭が。