某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

1000 / 1073
祝、1000話目です!


雷を震わす復讐鬼 急

「ヴァイオレットオオォッ……!!」

 

その叫び声に私は二人の激しい攻防の近くの地面に座り込み、虚ろな瞳でヒューリー・フラットライナーとレイス・アレンを見つめるエーデル・ヴァイオレット・ケリーの事を見つめる。

 

彼女を、私は見捨ててしまった。あの時、引き留めておけば彼処に居ることはなかったのに、私はしとりとひとえを選んでしまったんです。

 

「んむぅっ……うるさいなあ」

 

「エルムちゃん、おはよう」

 

「ん!えーちゃん、おはよー」

 

喧騒とした激闘が起こっているのに、二人はアクビをかみ殺すエルムさんに挨拶を送り、私も「おはようございます」と彼女に挨拶をします。

 

刹那、荒々しく風が吹き荒れたかと思えば「がしゃどくろ」めいた骨格機能特化型人造人間「エクゾスケルトン」が身体を起こし、攻撃を開始した。

 

「レイスの身体を心臓代わりに起動したようだが、あの程度の強さでヒューリーを止める事は不可能だな。究極の八体、二体目の破壊だ」

 

Dr.ピーベリーがそう宣言すると同時にヒューリー・フラットライナーの身体は真っ直ぐエクゾスケルトンの身体を突き抜け、レイス・アレンの身体を引きずり出した。

 

「ハァッ…ハアッ…!」

 

血溜まりの中に佇んだ彼の纏う雷電は血を伝い、広範囲に広がっていくけれど。一滴も血に染まっていないエーデル・ヴァイオレット・ケリーには届かない。

 

「ふむ、負けてしまったか。まあ所詮は田舎造りの凡百の一体だ。我々、機能特化型人造人間の外付けパーツに成り得なかっただけだ」

 

「いや、そうでもねえんじゃねえか?」

 

「ムッ?」

 

いつの間にか外に出ていた左之助さんは死体卿の呟きを否定し、血溜まりに倒れていたレイス・アレンを顎で指し示す。 

 

まだ、動いて(いきて)いる。

 

「立て。今度こそ殺してやる」

 

「ハッ、ハハハ、良いよ、壊し(ころし)合おう…!」

 

示し合わせたように立ち上がった二人は向かい合う。ヒューリー・フラットライナーはナイフを、レイス・アレンは砕けたエクゾスケルトンの背骨を握る。

 

お互いの最大の弱点たる電極を狙い、斬り合う二人の顔は怒りに染まっている。斬って、斬って、斬って、斬って、斬って、お互いを斬り合う。

 

「ヒュウゥゥリィィィッ!!!」

 

「レ゛ェ゛イスッ!!」

 

咆哮を上げたレイス・アレンの電極は貫かれ、ヒューリー・フラットライナーに倒れ込み、静かに彼の腕の中で動かなくなった。

 

「次は、お前だッ…!」

 

「ふむ、そうはいかないようだが?」

 

「ながあ゛ッ?!」

 

「あの骨野郎、脳みそで稼働していたのか!?」

 

レイス・アレンに張り付いていた骨格機能特化型人造人間「エクゾスケルトン」の当然の登場に驚く左之助さんの言葉に同意しようとしたとき、血の十字架が頭蓋と脳みそを粉砕した

 

「脳みそ野郎、退け。邪魔だ」

 

ジョン・ドゥ、名無しの死体────。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。