「ヴァイオレットオオォッ……!!」
その叫び声に私は二人の激しい攻防の近くの地面に座り込み、虚ろな瞳でヒューリー・フラットライナーとレイス・アレンを見つめるエーデル・ヴァイオレット・ケリーの事を見つめる。
彼女を、私は見捨ててしまった。あの時、引き留めておけば彼処に居ることはなかったのに、私はしとりとひとえを選んでしまったんです。
「んむぅっ……うるさいなあ」
「エルムちゃん、おはよう」
「ん!えーちゃん、おはよー」
喧騒とした激闘が起こっているのに、二人はアクビをかみ殺すエルムさんに挨拶を送り、私も「おはようございます」と彼女に挨拶をします。
刹那、荒々しく風が吹き荒れたかと思えば「がしゃどくろ」めいた骨格機能特化型人造人間「エクゾスケルトン」が身体を起こし、攻撃を開始した。
「レイスの身体を心臓代わりに起動したようだが、あの程度の強さでヒューリーを止める事は不可能だな。究極の八体、二体目の破壊だ」
Dr.ピーベリーがそう宣言すると同時にヒューリー・フラットライナーの身体は真っ直ぐエクゾスケルトンの身体を突き抜け、レイス・アレンの身体を引きずり出した。
「ハァッ…ハアッ…!」
血溜まりの中に佇んだ彼の纏う雷電は血を伝い、広範囲に広がっていくけれど。一滴も血に染まっていないエーデル・ヴァイオレット・ケリーには届かない。
「ふむ、負けてしまったか。まあ所詮は田舎造りの凡百の一体だ。我々、機能特化型人造人間の外付けパーツに成り得なかっただけだ」
「いや、そうでもねえんじゃねえか?」
「ムッ?」
いつの間にか外に出ていた左之助さんは死体卿の呟きを否定し、血溜まりに倒れていたレイス・アレンを顎で指し示す。
まだ、
「立て。今度こそ殺してやる」
「ハッ、ハハハ、良いよ、
示し合わせたように立ち上がった二人は向かい合う。ヒューリー・フラットライナーはナイフを、レイス・アレンは砕けたエクゾスケルトンの背骨を握る。
お互いの最大の弱点たる電極を狙い、斬り合う二人の顔は怒りに染まっている。斬って、斬って、斬って、斬って、斬って、お互いを斬り合う。
「ヒュウゥゥリィィィッ!!!」
「レ゛ェ゛イスッ!!」
咆哮を上げたレイス・アレンの電極は貫かれ、ヒューリー・フラットライナーに倒れ込み、静かに彼の腕の中で動かなくなった。
「次は、お前だッ…!」
「ふむ、そうはいかないようだが?」
「ながあ゛ッ?!」
「あの骨野郎、脳みそで稼働していたのか!?」
レイス・アレンに張り付いていた骨格機能特化型人造人間「エクゾスケルトン」の当然の登場に驚く左之助さんの言葉に同意しようとしたとき、血の十字架が頭蓋と脳みそを粉砕した
「脳みそ野郎、退け。邪魔だ」
ジョン・ドゥ、名無しの死体────。