某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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準備期間 急

先んじてドイツの森の奥に聳えるポーラールートへと向かったアシュヒト・リヒター、エルムさん、ジョン・ドゥ、アバーライン警部に携帯用食糧のひみつ道具「コンクフード」と「植物改造エキス」を渡しておきました。

 

使い方を記したメモもありますけど。やっぱり他の人にひみつ道具を貸し出すのは凄く不安です。しとりやひとえはしっかりとお約束を守ってくれる。

 

「えーちゃん、またねー!」

 

「えーちゃん、がんばって!」

 

「シトゥリちゃん、ヒトーエちゃん、またね!」

 

未だにしとりとひとえの名前は呼びにくいのか。

 

みんなも同じように発音を間違えています。特にしとりはシトゥリと間違われて、最初はしょんぼりしていましたが、あだ名や愛称と思えば可愛いのです。

 

「子供は元気で可愛いですねぇ」

 

「エルムちゃんは22歳だ」

 

「あのチビッ子、大人だったのか」

 

「アシュヒトの趣味だろう」

 

それは、違うのでは?と思いながらも身体の操作に慣れておらず、ぎこちない動きを繰り返すヒューリーさんに肩を貸し、そばに来ていた左之助さんが更に追撃する。

 

「改造手術の成果は出ているな。あとは仮面と強化服を装着しておけば良い」

 

「アレを本当に着るのか」

 

「アイツ、何年か前にお前を襲ったヤツだろ」

 

「奇怪人スパークですね。彼方のモデルを更にチューンアップして改造を加えたモノになりますし。電圧制御を加えた分、此方の方が強いです」

 

そう言うと左之助さんは不満そうに彼の身体を椅子に降ろして、私の頭を両手でワシャワシャと撫で回しながら不満そうに無言を貫く。

 

「あの、左之助さん?」

 

「オレの方が強えぞ?」

 

「知っていますけど。子供達が見ていますから」

 

しとりとひとえを見ると「ん!いつものこと!」「ねーさまのいうとおーり!」と言われ、顔が熱くなってしまいます。

 

うぅ、もうすぐ三十路なのに、このままだとイチャイチャしているバカップルな母親だと思われてしまいます!それでも左之助さんは良いんですか!?

 

このままでは、母親の威厳が…!

 

「景は居るだけで威厳あるぜ。たまに歩いてても怪しいから此方の警察にジロジロと見られるし、警戒もされてるじゃねえか」

 

「お前、苦労してるんだな」

 

「やめてくださいっ。私は普通の主婦です」

 

普通の、ふつう、ふつうなのかな。

 

ちょっとずつ不安になりながらも左之助さんの隣に座り、しとりとひとえの二人を優しく抱き上げ、お膝の上に座らせてあげます。

 

絶対に私は普通の女ですから、悪い人じゃないです。

 

 

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