某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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電気仮面 破

妖怪の観察を無事に乗り越えて、イギリスからドイツへ向かっている途中、不自然に空を飛ぶ鳥の群れに気付いたひとえが話し掛けるも鳥達は答えてくれない。

 

「敵だな」

 

「ん!悪いヤツ!」

 

「どういう基準で決めているんだよ」

 

「ひとえは動物と話せるんだよ。まあ、景が言うには、コイツらと行った露店に売ってた曰く付きの指輪の力らしいんだがな」

 

その言葉に飛行船の操舵室に集まっていた全員の視線が私に向き、椅子に凭れて吐き気と気持ち悪さに耐えながら袖の中に仕舞っていた手帳を開き、差し出す。

 

私の看病に専念してくれていた左之助さんが受けとり、みんなに聴こえるように話してくれる。

 

「ソロモンの指輪。効果は動物との意志疎通。危険度は低い。だそうだ」

 

「ソロモン!?」

 

「誰だフランケンシュタインか?」

 

「ソロモン王、聖書に登場する王様の名前だ。ヒューリー、お前が知らないのも仕方ないが、フランケンシュタインと直ぐに結びつけるな」

 

Dr.ピーベリーの簡単な解説にヒューリーさんも納得し、左之助さんに手帳を返して貰い、しとりとひとえが外の鳥に話し掛ける姿を静かに見つめる。

 

「あのミミズク、レイスと一緒に居たヤツだ」

 

「ホウ。では、追手か遊撃の相手になるね」

 

「バタフライ、君の出番は後になる」

 

「アール、私の出番はないのだよ」

 

緩やかに動きを止めた飛行船の揺れに口許を強く押さえて、顔色を悪くしながら床に座り込み、ゆっくりと深呼吸を繰り返していると。

 

────風が吹き荒れる。

 

窓が開き、ヒューリーさんが飛んだ。

 

いえ、実際は磁場操作による空気中の水分の蒸発と気体の結晶化現象を利用して「立っている」だけですが、初見では浮遊能力と錯覚してしまいます。

 

しかし、あくまで浮遊するだけ。

 

運動神経特化型人造人間(フランケンシュタイン)の真骨頂とは違う。

 

ある意味では、別種機能搭載型(サイドエフェクト)です。

 

「ちゃんと機能してるぜ、センセイ」

 

ヒューリーさんの言葉に頷きつつ、彼の両腕に巻いているコイルアームの機能は自発的に電気を生み出す装置です。擦り合わせ、熱電気を発して彼の身体に埋め込んだ蓄電装置に溜め込み、一時的な身体能力のパワーアップ機能を作動できる。

 

あくまで基礎能力のパワーアップです。

 

その効果に着いていけるのはヒューリー・フラットライナーという人間の実力であり、バトルセンスに至っては左之助さんや緋村剣心に匹敵し得る。

 

そう思いながら鳥型のフランケンシュタインを切り刻み、異形めいた怪鳥を掴んで感電させる彼の速さを眼で追うのは、どうにも……。

 

「ぇうっ…ふゔぇ…」

 

「大丈夫か景?」

 

ま、まだ、だいじょうぶです。

 

 

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