某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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死体卿の楽園 破

ギコギコ、ガタガタ、不安定で不規則に揺れるエレベーターの振動に吐き気を催しながらも無事に外に出ることが出来た瞬間、凄まじい轟音と爆発が聴こえてきた。

 

片手で口許を押さえながら部屋を出ると、左之助さんとヒューリーさんが増え続ける死体卿の分身と戦っていた。一対一の戦いを不利と判断し、量による圧倒を選んだようですけど。 

 

二人の速さは雷速、追い付ける能力を持っていない死体卿では増えるだけで手詰まり。しかし、分身と増殖は違います。

 

「(やはり、分身ではなく増殖でしょうか?だとしたら本体の死体卿は見えない場所に留まり、栄養補給を行いつつ、此方の戦局を見ている筈です)」

 

「核鉄の修復は完了した。私も出よう」

 

「はい。お願いします、ドクトル」

 

右手に握った核鉄を突き出して金属薄片の武装錬金「バタフライエフェクト」を展開し、私の周囲に自動迎撃形態へと変更したチャフを振り撒く。

 

瓦礫の上を飛び越えて、左之助さんとヒューリーさんの周りに群がる死体卿の分身もしくは分裂体を破壊し、攻撃に加わるドクトル・バタフライの事を見据える。

 

……私、危険な事に巻き込まれ過ぎて、恐いのに少しだけ耐性が付いてきてますね。良いこと、良いことなんでしょうか?と首を傾げる。

 

───とは言え、です。

 

破壊した死体卿の分身を吸収し、また増えるという自給自足……いえ、自食作用(オートファジー)を行い、疲労感も感じずに受けた攻撃を学習し、より的確に死体卿は左之助さん達を攻撃していく。

 

ものすごく危うい状況です。

 

ゆっくりとトランクケースを地面に置き、手のひらサイズまで小型化していた足軽殺駆《ザク》達をひみつ道具「ビッグライト」で大きさを戻し、糸色家に仕える機巧軍(カラクリぐん)侍大将こ唐倶利武者(からくりむしゃ)、騎馬組を指揮する古殺駆(コザク)、長柄組を指揮する今殺駆(コンザク)、鉄砲隊を指揮する新殺駆(シンザク)を呼び出す。

 

「奥方様、ご命令を」

 

「総員、死の兜を持つ男を倒して下さい」

 

「「「御意!」」」

 

私の言葉に従って、千を越える機巧人形(カラクリにんぎょう)達は死体卿を目指して、攻撃を開始します。特殊合金を使用しているため、並大抵の力では破壊できない糸色家が日本にも秘する軍団です。

 

そもそも教えられませんけど。

 

「うおぉやかたさまあぁ!!」

 

古殺駆は今日も元気ですね。

 

本物の日本刀を使用している分、より勇ましさを増しています。長柄組も陣形を組み、左之助さん達の休憩する暇を作り、鉄砲隊は遊撃に徹し、煌びやかに剣を振るう新殺駆を褒め称えます。

 

 

 

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