ギコギコ、ガタガタ、不安定で不規則に揺れるエレベーターの振動に吐き気を催しながらも無事に外に出ることが出来た瞬間、凄まじい轟音と爆発が聴こえてきた。
片手で口許を押さえながら部屋を出ると、左之助さんとヒューリーさんが増え続ける死体卿の分身と戦っていた。一対一の戦いを不利と判断し、量による圧倒を選んだようですけど。
二人の速さは雷速、追い付ける能力を持っていない死体卿では増えるだけで手詰まり。しかし、分身と増殖は違います。
「(やはり、分身ではなく増殖でしょうか?だとしたら本体の死体卿は見えない場所に留まり、栄養補給を行いつつ、此方の戦局を見ている筈です)」
「核鉄の修復は完了した。私も出よう」
「はい。お願いします、ドクトル」
右手に握った核鉄を突き出して金属薄片の武装錬金「バタフライエフェクト」を展開し、私の周囲に自動迎撃形態へと変更したチャフを振り撒く。
瓦礫の上を飛び越えて、左之助さんとヒューリーさんの周りに群がる死体卿の分身もしくは分裂体を破壊し、攻撃に加わるドクトル・バタフライの事を見据える。
……私、危険な事に巻き込まれ過ぎて、恐いのに少しだけ耐性が付いてきてますね。良いこと、良いことなんでしょうか?と首を傾げる。
───とは言え、です。
破壊した死体卿の分身を吸収し、また増えるという自給自足……いえ、
ものすごく危うい状況です。
ゆっくりとトランクケースを地面に置き、手のひらサイズまで小型化していた足軽殺駆《ザク》達をひみつ道具「ビッグライト」で大きさを戻し、糸色家に仕える
「奥方様、ご命令を」
「総員、死の兜を持つ男を倒して下さい」
「「「御意!」」」
私の言葉に従って、千を越える
そもそも教えられませんけど。
「うおぉやかたさまあぁ!!」
古殺駆は今日も元気ですね。
本物の日本刀を使用している分、より勇ましさを増しています。長柄組も陣形を組み、左之助さん達の休憩する暇を作り、鉄砲隊は遊撃に徹し、煌びやかに剣を振るう新殺駆を褒め称えます。