某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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ロンドンの怪人 急

バネ足ジャックの再来のゴシップを読み、その姿を撮影したという写真を見れば左之助さんの事もギリギリ写っているようにも見える。

 

特徴的な大鉾を持つ「悪一文字」の背中は左之助さんだけですし。ドクトル・バタフライの事を綴った記事を読み、そうっと新聞を閉じる。

 

怪奇!?蛾男(モスマン)の正体とは────。

 

モス。蛾。

 

バタフライじゃなくて、モスでした。

 

私は、何を言えば良いのでしょうか。

 

そう静かに悩みながらアール・シュタインと紅茶を飲んでいた筈の彼の視線に身体を強張らせ、縮こまるように身体を屈め、しとりとひとえの傍に座ります。

 

私に出来ることはないですね。

 

「バタフライ、君の事がゴシップに載っている様だが読んだかね?」

 

「いや、まだ読んでいないな。なんと書いてあるのか見せてもらえるかね」

 

「モスマンだそうだ」

 

「私は蛾ではなく蝶だか?」

 

それは、そうですけど。

 

人間型ホムンクルスですし。基本スペックは最高水準を叩き出している蝶・超人なのは事実ですけど。やっぱり、色々と気になりますよね。

 

「しかし、モスマンとは…」

 

「ヌゥ……糸色君、どうにかならないかね」

 

「えと、いっそのこと名乗り出ては?」

 

それこそ「私がアイアンマンだ」と言ってのけた人のように堂々と宣言してしまえば、錬金戦団も手出しする手段も減る筈です。

 

いえ、あの組織ならウソを振り撒いて、ドクトル・バタフライの事を貶めようとしますね。武藤君達の時代の錬金戦団は今よりずっとましですが、不安は残ります。

 

「成る程、しかし、目立つ行為は避けたい。アールや糸色君達に被害が及べば流石の私も怒りに任せて焦土に変えてしまうか知れないからね」

 

「冗談に聞こえないぞ。バタフライ」

 

「冗談ではないからね」

 

それはそれでどうなんでしょうか?

 

「ん!ん!しとり、ばーちゃんがチョウチョだって知ってる!」

 

「ばーちゃ、ひーもしってるよ?」

 

「うむ、私の露出は無しにしよう。些か目立ちすぎている気もするからね。それに、そろそろヴィクター達のところに戻らなくてはいけない」

 

「ドクトルの考えることが最適だと思いますし。少し適当な事を言ってしまいましたね。ごめんなさい」

 

「何、気にする必要はないさ。私達はお友達なのだからジョークを言い合えるのは当然だろう」

 

なんだか、お友達という単語を強調していたように思いながらもドクトル・バタフライの言葉を嬉しく思い、しとりとひとえは自分達もドクトル・バタフライのお友達だと彼に文句を言っています。

 

 

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