骨董品。
食器や陶芸品、刀剣類など様々な物が入っていた木箱の片付けも終わり。少しだけ疲れたと思いながら、ひとえを見ると綺麗な銅鏡を見ていました。
「きれーだねえ」
「フフ、そうですねえ」
にっこりと笑うひとえの頭を優しく撫でていると、ドンと親分、ボスが部屋の中を歩き始め、フスフスと鼻を鳴らして何かを探し始めている。
おやつはまだですよ?と言うと三匹の視線はひとえの持っている銅鏡に集まり、何か潜んでいるのかと私も銅鏡を覗き込んだ瞬間、ギョロリと目が現れた。
「ひえっ」
「かがみさんみえない!」
ビックリする私と違って、ひとえは銅鏡に浮かんだ目玉に不満げに、ぷくーっと頬っぺたを膨らませると目玉は銅鏡の中に沈んでいく。
「ありがとー」
「ひ、ひとえはすごいですね」
驚きすぎて心臓が痛い。
そう涙目になりながらもひとえの事を褒めつつ、銅鏡を優しく磨く彼女の事を見つめる。女の子らしく可愛いものが大好きなんですね。
「かがみさん、嬉しいって」
「そう、なの?」
手に持てば声を届ける事の出来るタイプの妖怪なのでしょうが、雰囲気は影茶碗に近しく、付喪神か家守の妖怪だと思うことにしました。
大黒柱に宿っている時代樹様の御側に置いておけば家の結界を強める可能性を想像していたとき、にゅっと銅鏡に手足が生え、影茶碗と見つめ合う。
これは、共鳴している?
「かーさま、ようかいさんはかわいーね!」
「……フフ、そうですね。良い妖怪さんも沢山いるからお友達になりたいときは、自分からお友達になってくださいとずうっと言えるようになりましょうね」
「あい!」
いつものように元気に返事してくれたひとえの事を、ぎゅうっと抱き締めつつ、銅鏡の手に掴まって、にゅっと手が生えた影茶碗にピシリと身体が固まる。
「(合体していた?)」
いえ、いえ、いえいえ、あり得る?
……あり得ますね。
付喪神の総大将に成ろうとしているのなら合体するのは当たり前の事ですし。そういう時期が影茶碗にも来たというわけです。
それにしても、随分とすごいことになっていますね。倉の中から更に合体して出てきても驚かない自信がありません。
「かーさま、ひーも出来てた?」
「えぇ、とても良く出来ていました。流石は私と左之助さんの娘で、しとりの妹です。あとでチョコレートを一緒に食べましょうね♪︎」
「あい!!ひー、ちょこすき!」
私は、美味しそうに食べるひとえの笑顔を見るのが大好きですよ。いっぱい、食べて、大きく元気に育ってくださいね。