某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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しとりの妖刀 破

左之助さんの蛮竜然り、妖刀という物は意思を持っているため、相応の覚悟を持って振るわなければ危険な代物なのですが。

 

どうやら、しとりには関係ないようです。

 

「十刀流というやつですね」

 

「よく使えるな」

 

感心する私の横に座り、広間の中心で鮮やかに苛烈且つ鮮烈に十本の刀を自由自在に入れ換え、二刀流、四刀流、五刀流と指に刀を挟み、あるいは浮遊する刀を動かして動くしとりは綺麗です。

 

正直、ここまで強いと自分の遺伝子の弱さに何とも言えない気持ちになる。あの身体能力は左之助さん譲り、顔は似ていても鬱屈としていません。

 

「しかし、妖刀も従えるとなりゃあ、かなりの奴らに狙われるかも知れねえな」

 

「……やっぱり、そうですよね」

 

それは、分かっていたことだけど。

 

改めて、そう言われるとすごく怖い。

 

しとりが大怪我を負ったらと考えるだけで不安になりますし、ひとえにもしものことがあったらと想像するだけで心臓が壊れるほどに痛みを訴える。

 

「ん!みんなで面!」

 

「えげつねえな」

 

十刀流の怖さは独立した浮遊剣の怖さ。

 

普段はしとりの意思によって制御しているものの、アレは意思を持つ妖刀です。その気になればしとりを守るために自動的に攻撃を行う。

 

素早く鋭く美しく。

 

しとりの剣は神谷活心流と飛天御剣流の二つを合わせた剣路君と同流です。もっとも緋村剣心や比古清十郎とは違う、姿お兄様の飛天御剣流ですけど。

 

「ひとえ、貴女のお姉ちゃんはすごいねえ」

 

「あい!」

 

フンスと胸を張って自慢気になるひとえの可愛い姿にクスクスと笑いながら、彼女の頭を優しく撫でていると電光丸を鞘に納めた瞬間、背中に浮かび、宝輪を描いていた妖刀達も影の鞘に納まっていく。

 

「ん!わたしも撫でて!」

 

「あらあら、フフフ♪︎」

 

「ひとえは、父ちゃんが撫でてやろうなあ」

 

「なでて!」

 

わーいと嬉しそうに左之助さんに抱きつくひとえを羨ましく思いつつ、ゆっくりと優しくしとりの頭を優しく撫でてあげる。

 

私に似ずに綺麗なストレートヘアーです。

 

「んっ、えへへ」

 

「しとりは強くて可愛い女の子です。お母さんはしとりと同じくらいの時にお父さんに出会って、色々とありましたが、夫婦になれましたからね」

 

……あれ?そう考えると十三歳(数え年の十二歳)だった私の長屋に入り浸って、ご飯をせびっていた左之助さんはプータローだったのでは?

 

いえ、そんなことはありませんよね?

 

「景、どうかしたのか?」

 

「ああ、いえ、不思議に思っただけです」

 

本当に、何故(なにゆえ)なんでしょうか?

 

 

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