某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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姉妹仲良く 序

しとりは北落師門を呼び出したものの、槍なんて触ったことも無いから普通に竹刀を軽く、コンと当てられてしまっていた。

 

経験の差もありますが、我流の動きを見極めるしとりの動きもすごいです。やっぱり、しとりにも私の『特典』は遺伝してしまっているのでしょうね。

 

『特典』は変質して『異能』と成る。

 

「左之助さん、どうですか?」

 

「たん瘤出来てやがるな」

 

「ぅー!うー!」

 

バタバタと暴れるひとえの事を抱き締めつつ、ゆっくりとおでこに塗り薬を塗られてイヤそうに唸る末娘の可愛い顔を見つめる。

 

とても可愛いですよ、ひとえ。

 

「おくすりきらい!」

 

「ん。わたしも嫌い」

 

「ダメですよ?ちゃんとお薬を塗らないと傷が残ってしまいますから、可愛いひとえとしとりに傷が出来たらお母さんは悲しいですから、ね?」

 

そう言って二人の頭を撫でていると、不満そうにひとえは「おくすきり、きらい」と言いながら、髪留めを使って上げた前髪を触っています。

 

あまり弄ると型になるから、触っちゃダメです。触るならお姉ちゃんのお顔にしましょうね。

 

「うにっ」

 

「むにっ」

 

「「むぅーっ」」

 

「父ちゃんのも触るか?」

 

「お髭無いからやっ!」

 

「おひげさん、ないの?」

 

「……お前の髭好きが遺伝してるぞ」

 

「お髭はカッコいいですから仕方ないです」

 

そう言うとしとりとひとえも頷いてくれ。

 

左之助さんだけは不思議そうに首を傾げながら「髭は飯食うときや服に刺さって痛いんだかなあ」と呟きつつ、自分の剃った顎を撫でている。

 

「お髭のリボンとか可愛いかもですね」

 

「そこまで伸ばすヤツいるのか?」

 

「ドクトルでしょうか」

 

最初に浮かぶのはドクトル・バタフライだけど。あの人の風貌はイマイチ掴めない。本名も蝶野天爵だったり蝶野刺爵だったりと変わっている。

 

あの人の本名を私は知らないわけです。

 

ススハムや不破信二、安居院紗那、「奈落」、ウィリアム・ヘンリー、幻想虎徹、彼ら彼女らは本心を語ることが多いけれど。

 

ドクトル・バタフライは隠し事をします。

 

人の事をとやかく言える立場ではないですが、あそこまであからさまに隠し事をしているのはドクトル・バタフライぐらいでしょうね。

 

楯敷君はラスボスとなるために私を狙っているし。

 

本当に、みんなは大変な事ばかりしますね。まあ、私もよくトラブルに巻き込まれますから、それほど人の事は言えませんけど。

 

本当に、偉そうに言える立場ではない。

 

いつも庇護下にいるだけの人間です。

 

どうして、私にこんな能力を与えたんですかね。

 

 

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