「……喫茶店アミーゴ」
また、赤べこの隣に生えている「仮面ノリダー」に登場していた喫茶店の名前にこめかみを押さえつつ、こっそりとお店の中を覗いてみる。
「ツカサは出払ってるぞ。糸色」
「きゃあんっ!?」
いきなり話し掛けられた事にビックリし過ぎて、恥ずかしい悲鳴を上げたことに顔を羞恥心で赤く染め、恨めしげにアロハシャツとタンクトップ、ジーンズを履いた立花ゲンジロウの事を見上げる。
こんな人通りの多いところで叫ばせるなんて、やっぱりデスガロンは悪い怪人です。
そう思いながら喫茶店に入店するとあの時、私とススハムの事を襲ってきた「奇怪人スパーク」に変身した男の人がカウンター席に座っている。
「…今はオフだ。戦うつもりはないぞ」
「まず、名乗ってやれ。シゲル」
「おやっさん、アンタもアンタだぞ。俺達はソイツの身体に収まっているモノを奪うために居るってのに、毎度毎度デートプランや結婚報告を受けたり、おやっさんは何がしてえんだよ」
「決まってるだろう。ツカサの行く末を見守ってやることだ。あのバカは『ラスボスになりたい』んだ。なら、同じ境遇でバカに付き合える俺達は必要だ」
……私は何を見ているのでしょうか?
「はあ、俺は
「……デスガロン、この人どうしたんですか?」
「あー、アレだ。門矢にタックルを寝取られたからやさぐれてるんだよ」
「どうせ、俺は無愛想な男だ」
「最悪の変貌を遂げましたね、門矢君」
NTRは悪い文明、滅ぶべし。
そういうことをするなんて最低です。
しかし、立花ゲンジロウと砦シゲル。
この二人は偶然か不運か「仮面ライダーBLACK RX」と「仮面ライダーSPIRITS」に登場する怪人の能力を手に入れてしまった。
そんな彼らの目的は私の『物語を繋げる能力』を奪い取って、『ラスボスになりたい』という楯敷君の最期を見届けることだと言う。
正直、本当なのかも怪しいですね。
「……えと、もう帰りますね」
「まあ、そういうなって」
「
ミシリと掴まれていた左手首に痛みが走り、慌てて引き剥がそうとするものの、力で敵うわけもなくお店の奥に連れ込まれそうになっていた刹那、朱染めの十文字槍が壁に突き刺さる。
まさかと喫茶店の出入り口を見遣る。
「お婆ちゃんが言っていたわ。男がやってはいけない事が二つある。女の子を泣かせる事と食べ物を粗末にする事だ。私のお婆ちゃんに随分と嘗めた真似してくれているみたいねえ」
「マジか。糸色妙、なんでここに」
「決まっているでしょう。私が糸色妙だからよ!」