「さて、私は帰るとしよう」
CHANGE STAG BEETLE
黒み掛かった青の装甲を纏った鍬形虫。両手の甲に伸びた二股の刺突武器は「仮面ライダードレイク」の右腕にも似ているけれど。
此方は鋸刃状のギザギザとしたフォルムです。
「じゃあ、また来るよ」
「はい。お待ちしています」
そう言うと彼女はオーロラカーテンを通り抜け、月明かりに照らされた夜に消えてしまった。やっぱり、仮面ライダーやスーパー戦隊関連の人達はすごいですね。
私だったら焦りと恐怖で取り乱す場面も平然と切り替えて乗り越えている。本当に羨ましく思えるあの度胸を身に付けてみたい。
しかし、このゼクターはどうしましょうか。ドクトル・バタフライに連絡を入れるとして、彼の事だから全部調べようとするはずです。
「わたしも飛びたい…!」
「あの姉ちゃん、虫の妖怪だったのか」
しとりと剣路君の子供ですよと言ったらどういう反応を示すのか気になりますけど。その事を知っているのは私と左之助さん、緋村剣心と薫さんです。
他にも知っている人はいますけど。
彼方はまだ良いでしょう。
「糸色殿の血筋は本当に奇想天外でござるな」
「まるで、自分がまともみてえな言い方してるがよ。アイツらの若い見た目はお前だろ、剣心」
「おろ?それを言うなら喧嘩っ早さは左之譲りでござろう。いやー、拙者は左之ほど怒りやすい性格ではござらんからなあ」
「て、テメェ…」
ケラケラと煽る緋村剣心。
ここで怒ったら、彼の言う通りなので言い返せない左之助さんは「てめえは尻に敷かれてるじゃねえか」と、ちょっと言い返した。
「ぐぬっ。尻には敷かれておらぬ」
「良いや、敷かれてるぜ」
なんだか面倒臭い事になってきましたね。
「景さん、帰りましょうか」
「え?あ、そうですね」
倭杖を抜く緋村剣心と拳を鳴らす左之助さん。
二人は親友ですけど。同時にライバルです。
左之助さんは斬左として勝った事はなく、何の柵もない相楽左之助という個人として勝っている。二人の事は心配……だけど、問題は蛮竜を使うかどうか。
「けんちゃん、いっぱい食べたねえ…」
「っ、オレはしとりよりデカくなる!」
「フフ、なら早寝早起きは大事ですよ。よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む。身体を作るのは日々の正しい生活ですからね」
「弥彦にも言っていたわね」
「えぇ、とても大事な事ですからね」
どんなに変わっても、この言葉はずっと続いて欲しいですし。いつかの未来へ届いてくれれば私は私なりに満足します。
「ところで、私と景さんは親戚になるのね」
「そうですよ?」
「……私がお姉さん?」
「フフ、雰囲気は私の方がお姉さんっぽいですよ」
「年下なのに、ずるいわ」
それは、どうなんでしょうね。