「景、オレに隠し事してねえか」
お昼ご飯を食べていたとき、唐突に切り込んできた左之助さんの言葉に首を傾げてしまう。ウソも隠し事もしていないですけど。
一体、どうしたんでしょうか?
「しとりとひとえに何か見せてるだろ」
「ああ、私の本棚ですね。左之助さんも使っている『壁掛けハウス』の図書館に収納している本達を見せているだけですよ」
「図書館って、どんだけ書いてるんだよ」
「千冊は越えているんじゃないですか?」
「さらっとすげえこと言わなかったか?」
「?」
変な事を言った記憶はありませんけど。
ドクトル・バタフライが、ここ数日ほど四次元ポケットを通して、ひみつ道具の展示館に沢山のひみつ道具を詰め込んでいるのは事実です。
電光丸に関しても殺傷能力を高めたモノ。電撃以外の攻撃を付与してみたりと試行錯誤を繰り返した代物が、沢山並んでいる場所ですけど。
あそこは私とドクトル・バタフライ以外は入室出来ないように設定していますから、そう簡単に押し入ることは出来ません。
「……景、やっぱり三人目欲しくねえか?」
「んぐっ、けほっ、けほっ!」
飲んでいたお茶が気管に入ったのか。苦しくて咳き込んでしまう私の背中を擦りながら、どこか執着めいた感情の溢れる左之助さんを見上げてしまう。
「左之助さん、流石にもう無理ですよ。身体が持たないって恵さんにも言われていますし。それに育てるにしても時間が足りな…い………ち、違います!今のは言葉のあやで、変な意味はないんです!!」
「知ってる」
「っ、だから、その……ごめん、なさい」
慌てて訂正するものの、静かに私の事を見つめる彼の視線に堪えきれず、もう本当に長くないこと、お薬では無理なこと、よくて一年ほど、それから、それから、と、私は隠したかった事を左之助さんに伝えてしまった。
「……そうか」
「……ごめんなさい……」
「いや、責めたいわけじゃねえんだ。何だかんだ死にかけてもオッサンや恵が助けてくれてたろ。だから、オレも楽観的に考えていたんだろうな」
「そう、ですね。けど、私は身体があれですから、何度も大掛かりな手術を受けるのは無理ですし。手術しないのも血管が細くて、身体も細すぎるからメスを入れるのも難しいんです」
好き好んで野放しにしているわけではないんですが、どうにもこうにも私は自分の身体を支えるのは下手ですし。元々、そう長くなったものをお薬で無理やり繋ぎ止めている状態です。
強心薬を使ったら、心臓が破裂しますね。