某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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銀成市へ行こう 破

左之助さんと銀成市に向かう準備を進めつつ、誘拐されている間に滞っていた『うしおととら』に加えて、こっそりと描いていた『からくりサーカス』と『からくりの君』を月岡津南のところで連載することになった。

 

ただ、世に出回って順調に人気を高めている『からくりの君』に登場する絡繰人形の一つ「次郎丸」のモチーフについて、般若と巻町さんに追求されている。

 

確かに四乃森蒼紫に似ていて次郎丸の必殺技は「虎乱」という回転を利用しているけど。決して、四乃森蒼紫をモチーフにしているわけではない。

 

「今日も店番か」

 

「店番ではなく店主です。斎藤さんも奥さんにお一つ如何ですか?」

 

「阿呆が。時尾は自分で買いに来るだろう。……しかし、新撰組(俺達)を題材とした、こんな血生臭い恋愛草紙など売れるのか?」

 

そう言うと斎藤一は私の描いた『幕末恋華』を手に取り、苦笑する。流石に本人の顔をそのまま使うのはアレなので原作に遵守です。

 

ラブロマンスは乙女心のフィーリングですからね!

 

「そういえば奥さんも一冊買いましたよ。『あら、あの人を絵草紙のネタにするなんて面白い人ね。でも、これは浮気になるのかしら?』と笑ってましたけど」

 

「……俺は藤田五郎だ、斎藤一ではない。糸色、お前も変に吹聴するなよ」

 

深い溜め息を吐いて、自分の頭を押さえながら斎藤一はお金を手渡してくる。やっぱり、斎藤一って愛妻家なのだろうか。それとも恐妻家なのかな?

 

私の疑問に答える前に斎藤一は早足で巡回に戻ってしまい、私は何とも言えない気持ちになる。

 

「斎藤も大変だな」

 

「あ、お帰りなさい。左之助さん」

 

「おう。ただいま……ところでよ。剣心も驚いてたが、何でこんなに幕末の時代に詳しいんだ?」

 

「まあ、情報提供者は何処にでも居ますからね」

 

「危ないことしてねえだろうな」

 

左之助さんは怪しむように私をみつめつつ、私の隣に腰掛けて、いつものように太股に頭を乗せて来る。左之助さんは喧嘩屋家業がお休みの日は何故かずっと膝枕を要求して来る様になってしまった。

 

まあ、私の近くに居てくれるなら何でもするけど。流石に人通りも多くて、お客さんにも見える店先で膝枕するのは私も恥ずかしいんですよ?

 

「なあ、蝶野の所に行く話だが。お前は歩きで行けると本気で思ってるのか」

 

「こ、これでも体力はついたと思います!」

 

「アレでか?」

 

「もうっ!」

 

「イテテ…」

 

いきなり破廉恥な事を言う左之助さんの頭をペチペチと叩きつつ、アレというのは夫婦の営みの事なんだろうと考えてしまい、顔を赤くしながら左之助さんの頭を叩いて、そういうことを平然と人前で言っちゃう左之助さんを頑張って私なりにお仕置きする。

 

 

 

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