のんびりと人気の多い通りにある行きつけの甘味処に入り、いつものように、しとりとひとえと一緒にお団子を食べていると、沢山の人を引き連れた左之助さんが見えた。
お仕事にしては、人数が多いように感じるものの。たまには大人数で仕事をすることもあると納得し、串に刺さったお団子を食べる。
最近、東北に出向いて習ったというずんだ餅も中々に美味しいです。個人的にはみたらし団子が一番ですが、しとりもひとえも好き嫌いなく食べています。
「母様、母様」
「? どうしたんですか。しとり」
「ん!あそこにお団子の妖怪いた」
そう言われて、そちらを見ると「のっぺっぽう」が、ゴソゴソと人目を避けて、裏路地に逃げていくところが見えました。元来、のっぺっぽうの血肉は不老不死や不老長寿の秘薬に変わると言われ、日本でも清国でも狙われ続けている人魚の性質に近い妖怪です。
「斬る?」
「大丈夫です。あの子はとても優しく良い子ですから刺激せず、見守ってあげましょう。それに、見つけたのも内緒です」
だって、そうしないと左之助さんは絶対に捕まえようとするし。そのお肉だって無理やり口の中に詰め込み、私に食べさせようとするはずです。
力の弱い私は無惨にも妖肉を食べて、サンピタラカムイ様の加護を失ってしまうかも知れません。
それは、とても怖いことです。
「ひとえ、急がなくても取りませんから、ゆっくりと食べましょうね。ほら」
「あい!」
のんびりとすごす一日も悪くありませんが、こうして観察すると昔から妖怪は人の中に紛れ、畏敬と畏怖を受けて力を蓄えていたんでしょうね。
しかし、妖怪は多いようにも思える。
カランコロンと聞こえてきそうですが、彼が生まれるのはもっと未来ですから違いますし。ぬらりひょん。やっぱり、ぬらりひょんが影響しているのかしら?
「(ひとえの守り刀は大きさを変えることはないし。祢々切丸のように妖怪を斬る刀ではありませんし。狙われたらどうしましょうか)」
そう考えながら、お団子を食べる。
「二人とも妖怪を見すぎですよ…」
「ん、でも多いよ?」
「いっぱいきてるよー?」
確かに、沢山の妖怪がいるけど。
しとりに会いに来ている妖怪もいますけど。お母さんは怖いから出来るだけ気づかれないようにしているんです。分かってくれますよね?
…………そう言えれば良いんですけどね。
私は怖くて言えず、しとりの撃盤に集まる妖怪達の声を聴きながら、私はお団子を食べて気づかないふりを続けてみます。