某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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天の宝 急

「景、面白いのがあったんだけどよ。こういうのって触ったことあるか?」

 

家に帰ってくるなり早々に古びた木箱を持って立つ左之助さんがいたのですが、しとりとひとえが力任せに左之助さんをビンタした瞬間、木箱はちゃぶ台に落ちる。

 

ゴトンと音が響く。

 

僅かに開いた木箱から見えるのは千年パズルに似た目玉の装飾を施した首飾り状のリング───「千年リング」が私の目の前に存在しています。

 

戦骨の仕業でしょうけど。

 

一体、誰の魂を封じ込めているのでしょうね。

 

いえ、そもそも入っているのでしょうか?と首を傾げつつ、手にとって確かめる。相変わらず、純金製の代物に関心を向け、ゆっくりと目玉を見据える。

 

「左之助さん、乗っ取り受けてますか?」

 

「受けてねえぞ?」

 

しとりとひとえにビンタして貰ったおかげで取り憑いていた邪悪な気配は消えたものの、よもや千年アイテムを増やしているのは予想外でした。

 

しかし、どうしましょうか。

 

千年リングはイメージ的に苦手です。

 

「……とりあえず、安心と安全を得るために時代樹様に浄化して貰いましょう」

 

そう独り言を呟きながら大黒柱を依代に我が家を守ってくれている時代樹様の前に千年リングを置いたら、時代樹様の意思を伝える精霊が千年リングを無造作に力一杯に蹴り飛ばした。

 

桔梗の姿でそれはアクロバットすぎませんか?

 

「えぇ…」

 

『不埒者の気配を感じた。糸色景、戦骨に関わる品々にあまり触れるな。ヤツは親類親族だろうと容易に食い破って顕現する兇鬼だ』

 

たまに思いますけど。

 

どうして、私の事をフルネームや旧姓で呼ぶのだろう。別に構わないけど。ちょっとだけ悲しい気持ちになるのは本当です。

 

「なあ、時代樹様よ」

 

『何だ、相楽左之助』

 

「ずっと気になってたんだけどよ。戦骨の持ってた物が景に集まるのは何でなんだ?蛮竜みたいなすげえ鉾を売るなんてあり得ないだろ」

 

『………良いだろう。私に言えることはたった一つだけだ。糸色景、お前から二十代ほど前、戦国時代に生きていた糸色家二代目当主「糸色對(いとしき ついき)」と戦骨は四人の子を儲けた』

 

「ちょ、ちょっと待って下さい。椿さんは?」

 

「あの白髪の姉ちゃんだな」

 

『あやつとも戦骨は子を儲けている』

 

「じゃ、じゃあ、他にも?」

 

『大陸の方にも行っている筈だ』

 

頭が、痛くなってきました。

 

戦骨、ただの戦闘に狂った転生者じゃなくて、色欲にも狂っていた変態さんだったんですね。しかも、それが私のご先祖様というわけですか。

 

あのNTRを良い文明と言い張る邪悪が?

 

 

 

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