「時代樹様、流石に理解が追い付かないのですが」
『そうだろうな。少なくともお前自身が戦国時代に連れ去られた時の戦骨にその自覚はなかった。だが、あの千年錐の中に封じ込めていたアイツは一目で理解していた。いや、予感はあったのだろう』
血の共鳴と言えば良いのでしょうね。「彼」が私の中に潜んでいる何かを抜き取ったとき、おそらくアレは戦骨の残した何かが時代を越えて、復活していた。
それは、しとりやひとえにも該当する。
悪因悪果。
戦骨を恐れて憎んだ妖怪も人も呪いのようものは私という人間に集まっている。そう考えれば納得できることがこれでもかと記憶にあります。
「景の先祖がアイツだとしてだ。景は困るか?」
「……いえ、とくには」
困ることはありませんね。
そもそも四百年も前の出来事ですから、今更何かを言って騒いだところで変わりませんし。なにより蛮竜を自由に使えるという理由も分かりました。
左之助さんの血、私に流れる戦骨の血、どちらも混ざり合ったことで蛮竜の真の継承者というべき人達が何人も生まれるということです。
ただ、問題を挙げるとアレです。
しとりとひとえも使えますね。
『私に言えるのは長く険しい時代を生きるお前の子らは本当に頼もしく思えるぞ』
「フフ、ありがとうございます」
そう言って貰えると、すごく嬉しい。
「まあ、危なくないなら良いけどよ。時代樹、蛮竜を一番使いこなせるヤツはいるのか?」
『ああ、当然ながらいる。其奴の名前は糸色妙、百年後の未来に生まれる最強の蛮竜使いだ。お前の使えぬ力も全て取り込み、扱える。まさに理想の遣い手だ』
お妙さんが最強の遣い手────。
白面の者を倒して、子供に出きる人ですし。そうなるのも当然といえば当然ですけど。まさか、最強の遣い手だったなんて予想外ですね。
左之助さんには、あっていませんし。やっぱり引き留めね置けば良かったでしょうか?と首を傾げつつ、左之助さんのことを見つめてみます。
「?」
「フフ、なんでもおりませんよ」
しかし、本当に不思議です。
あんなに強い人がご先祖様なのたもそうですが、時代を越えて、蛮竜が戻ってきてくれたのは本当に嬉しいかぎりです。
もっとも、道理で蛮竜が嫌われているわけです。あれだけ殺していればそうなるわけですし。しとりとひとえが、もしも蛮竜を使えたら手助けしてくれますね。
「まあ、アイツのおかげで景に出会えたんなら感謝ぐらいはしてやるか。ただし、次に化けて出てきたら今度こそ確実にブッ殺す」
「あ、あはは……」