蛮竜の手入れをする左之助さんの傍に座るひとえに、左之助さんは少しだけ困ったように私の方を見遣るものの、何も言わずに黙々と手入れを続けています。
お掃除に関連するひみつ道具を使ったことは何度かありますが、やはり当然のごとく蛮竜は怒って、ひみつ道具を粉々に粉砕していた。
ああなるのは御免です。
しかし、左之助さんやしとり、ひとえが触れても怒らないのはアレですね。戦骨の残り香が強いのかも知れませんし、左之助さんの血を継いでいるからかも知れませんね。私はそもそも蛮竜には触りません。
──と言うより左之助さんが触らせない。
当然と言えば当然です。私の身の丈を越える2メートル以上はある大鉾を受け止める筋力なんて、この華奢な身体には存在しません。
辛うじて、最近は脂肪を蓄えることに成功してきましたし。そういうことを考えれば、もっと身体にふくよかさを得ることは出来るかもです。
「母様、電光丸が変…」
「あらあら、どうしたの?」
しょんぼりとするしとりに驚きつつ、優しく彼女の頭を撫でてあげながら電光丸を受けとり、高圧電流の機能を切って刀身を引き抜く。
ぎょろりと目が此方を見上げた。
「…………………………」
カチンと鞘に刀を納める。
スッと刀を抜き、ぎょろりと目が此方を見上げ?
カチンとまた鞘に刀を納める。
私は疲れているのでしょうか。それともしとりが何かまた連れてきていたのなら我が家の結界が稼働するはずです。あまり深く考えるのは怖いですけど。
先ずはゆっくりと考えることにしましょう。
ゆっくりと電光丸を引き抜いて、真っ直ぐ縦に構えるように電光丸を見つめる。妖怪の取り憑いてしまっただけのようですが、何故電光丸に?と首を傾げる。
「しとり、無銘の刀を一振り出して下さい」
「ん!」
普通の刀。妖刀の一振りですが、まだ妖気を持つ存在を収めていませんでしたから、こういうときに使えるのはとても良いことです。
緩やかに形を作り替える刀。
「ピカピカ!」
十干の八番目「
電光丸は十干の七番目「
どちらも金気を含むため、属性は「雷」です。予め定めた形状に変化するようにプログラムを組んでいた場合、しとりの残り四本の無銘の刀達は、いったい、何に変わるのでしょうね。
「母様、名前教えてほしい!」
「……見た目的に
『雷斬刀』は「鬼武者」に登場する雷属性の片刃の剣であり、鍔と柄の一体化した僅かに紫色に輝く刀身が特徴的なものです。しとりが強さを高めれば刀身は更に変化するでしょうね。
多分、この妖怪は千年リングに潜んでいた。
着けなくて本当に良かったです。