明治二十三年、1890年。
今から一年後のロシアで長谷川写真館にウイルク、キロランケ、ソフィアの三人が訪れて、日本語を学び、更にその数ヶ月後には日本に来ます。
ススハムはウイルクとキロランケの事を「ゴールデンカムイ」を読んでいるおかげで知っていますが、ドクトル・バタフライと不破信二はあまり深く読み込んでいないように思える。
私の居なくなった後、私の残した「物語」を手にとって安全に生きて貰えると嬉しいけど。もしも他の人に盗まれ、読まれたら世界はまた拡がっていく。
「つみれ鍋か?」
「はい。ススハムさんと二瓶さんがまた送ってきてくれた鹿肉と熊肉を使ってみました。しかし、羆退治のために二瓶さんを仮釈放するというのは凄いですよね」
「まあ、あのオッサンより熊を狩るのが上手いヤツは北海道に居ねえだろうしな。まあ、ススハムは熊を蹴り殺すから良く分からねえが」
ススハムは「光速の蹴りを叩き込んでいるだけだ」と言っていましたけど。普通は光速に達すると肉体は崩壊してしまうはずなんですが、流石は「月華の剣士」に生まれた転生者────。
格ゲーに於ける固有技として昇華しています。
肉体の耐久度。
やっぱり、バトル漫画や格闘対戦ゲームの世界に準ずる場合、私は「さよなら絶望先生」の世界に適応し、恋愛ギャグ漫画のモノになる。
そう考えると肉体の耐久度も納得できる。
「熊肉のつみれ。意外と美味いな」
「まだ煮込んでいる途中ですよっ」
「平気だってオッサンの仕留めたヤツは腐る前に届いてるし。なにより、こんだけバカみたいに氷を詰めてたら腐るにも腐れねえだろ」
そう言って木箱を叩く左之助さん。けど、一応の心配は必要です。あとでお腹が痛くならないように恵さんに貰った胃薬を飲みましょうね。
「左之助さん、しとりとひとえはどこに?」
「アイツらなら庭じゃねえか?景の作った穴蔵通ると縮むヤツで探検に行くとか行ってたぜ」
「そうですか。遅くなると危ないので、灯りになるものを用意してあげたほうが良いですね」
そう話しながら鍋に蓋をして煮立つのを待ちつつ、調理器具の掃除を開始し、水気を切って手拭いを使って丁寧に拭いていきます。
掃除は大事です。
不衛生だと病気になりますからね。……そろそろ私もお薬を貰いに行かないといけませんね。もうすぐお薬も痛み止めも無くなりそうですし。
それにしても、虫もいるのによく庭先でガリバートンネルを使おうと思いましたね。まあ、個魔の方もいるから、大丈夫ですよね?