「Good Nightだね。糸色君」
サンピタラカムイ様の神酒に水を混ぜて薄めた物を朱染めの盃に注ぎ、ゆっくりと飲んでいたとき、ごく自然体のまま話しかけてきたドクトル・バタフライに少しだけ小さく溜め息をこぼす。
あまり言いたくないですけど。
左之助さん達の眠っているときにやって来るのは些かダメな気がします。せめて、お昼か日中に来て貰えると私も対応しやすいです。
「ご用件は何ですか。今は神酒を飲んでいるので、あまり人目に触れたくないんですけど」
そう言ってドクトル・バタフライに遠回しに帰るように伝えてみたけれど。縁側と居間を隔てる障子を当たり前のように開け、侵入して来ました。
少し酒気に煽られて惚ける頭を押さえながら私の真向かいに腰掛けたドクトル・バタフライの差し出す小瓶に目を向ける。
「新しい薬を作ってきた。どうだろうか」
「……ナノロボットを飲むつもりはありませんよ。そもそも私に飲ませると仮定したとは思えない高濃度の肉体改造系の要素を詰め込んでいますよね」
「流石は糸色君だ。気付いてしまったか」
「気付きますよ、私の寿命を伸ばすために人外化を秘密裏に進めていること。ススハムさんや不破さんが私に電報を送るほどですからね」
コトリと小瓶をちゃぶ台の上に置いて、ドクトル・バタフライに返すと彼は残念そうに眉を曲げ、私の事を見つめる。私だって本当は長生きしたい。
だけど。色々な時代と並行世界を移動できる楯敷君を捕まえて私の身体に押し付けている負荷や襲撃を減らして貰い、寿命を少しだけでも伸ばすのは無理です。
「(それに、楯敷君の違和感にも気付けた)」
おそらくドクトル・バタフライも門矢君もこの事実には気付いていない。いえ、そもそも気付くこと事態が出来ないと言うべきでしょうか。
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正確に言えば『ラスボス足り得る楯敷ツカサは二人だけ』と表現するべきですね。この理由は私と向こう側の私の事を狙っていた楯敷君は『仮面ライダーダークディケイド』だったことです。
私達の存在する世界線は『スーパー戦隊』であり、普通に考えると『仮面ライダーダークディケイド』の存在は異物となるわけです。
では、もう一人の楯敷君は何処にいる?
その答えは簡単です。
向こう側とこちら側の二年の時差がある。
『スーパー戦隊側の楯敷ツカサ』は『海賊戦隊ゴーカイジャー』の「物語」へと転生している。そして、その『海賊戦隊ゴーカイジャー』の世界には、私達が光写真館で出会った「