ひみつ道具「からだ粘土」は自分の理想の肉体を造り上げる事の出来るひみつ道具です。手を長くしてみたり、足を長くしてみたり、胸を大きくしたり、鼻を伸ばしたり、色々と色んな事の出来るものです。
そのひみつ道具を使って、しとりとひとえは謎のキメラを形成しています。幸い、中にコアとなる人は入っていないので動くことはありません。
「ん!出来た…!」
「できたー!」
二人は嬉しそうに万歳したかと思えば、縁側でお昼寝をしていたドンの事を抱き上げ、謎のキメラ(馬の頭、虎の身体、鷹の翼、蛇の尻尾、鹿の足)へとドッキングした瞬間、からだ粘土の目はグポォンッ…!と光った。
……頭痛がしてきました。
「ん!ん!ん!」
「んー!」
馬の頭の上に生えたドンの名探偵ピカチュウみたいに、しわくちゃになった顔に少しだけ申し訳無さと哀れみを抱きつつ、私の子供達のためにもうちょっとだけ頑張ってくださいと応援を送り、親分とボスは狙われることを察知し、逃げました。
チラリと月岡津南の書いた瓦版を読んでいる左之助さんが此方を見て、暫くの沈黙の後、また此方を見たかと思ったら困惑していました。
まあ、そうなりますよね。
「景、止めねえのか?」
「止められる力はありませんから」
そう言って私は謎のキメラに乗って笑うしとりとひとえの事を見つめるばかりです。あんな大きなものに乗ってしまったら降りるとき、とても大変です。
「左之助さん、左之助さん」
「んー、どうした?」
「
「景は作れねえのか?」
「作れますけど、面白くないですよ?」
私は左之助さんに言われるがまま自分自身の立体像を作った瞬間、ブチブチと手足を千切られる光景を先読みしてしまい、作るのをやめる。
イヤな未来を予測してしまいました。
そろそろヤンデレという段階を飛び越えて、単なる病んだ夫の対処法を考えるべきでしょうか。しかし、そうなると私の手足を折るか斬るかして、本当にしとりとひとえにも会えない場所に閉じ込めそうなんですよね。
それだけは絶対に困ります。
「どうしたんだ?」
「……えと、変なことしませんよね?」
「あたりまえだろ」
「真顔で言わないで下さい!……もう、どうぞ」
「おお!…………着物とか剥げねえのか?」
「剥げるわけないでしょう」
あまりにもとんでもないことを言われ、私は左之助さんの言葉に珍しくドン引きしてしまう。どうして、自分の破廉恥なフィギュアを作ると思ったんですか!?