「まあ、そんなことはどうでも良いんだよ。俺はアンタの力を貰いに来たんだ。死にたくなかったら、俺に渡してくれるよな?」
「む、無理ですっ」
「あぁ?何が無理なんだ」
「その、譲渡の方法を知らないですし…この力は貴方の欲しがるような劇的にパワーアップを促したりする能力ではありません」
そう言って少しずつ身体を廊下の奥へと引きずり、戻る私に一歩踏み込み、近付いてくるゴートオルフェノクに不安と恐怖で涙が溢れる。
ドン達も逃げて良いのに、私を守るために今も牙を剥き出しにして睨み付けている。どうしたら、良いの?と鼻血が出るほどに深く考えていた刹那、部屋の壁を突き破って灰色と黒色のカブティックゼクターがゴートオルフェノクの頭を弾き飛ばした。
「ぐがっ!?佳のゼクターが、なんでここに」
「答えは簡単だ。お婆ちゃんが言っていた。私は人の糸を結び、世界に色を付ける。最も
はなぶさ。
リ・イマジネーション世界の「花形」という立場に転生したというわけか。あるいは、あくまでそっくりというだけで世界をねじ曲げられたのか。
そう思いながらもカブティックゼクターを受け止めた糸色佳の事をゴートオルフェノクは睨み付けて、もはや私など眼中に留めてすらいない。
「変身」
CHANGE STAG BEETLE
青色と黒色のガタックに変身する。
────というより帰ってなかったんですね。蹴れど、
彼女が来てくれたおかげで、不安と恐怖は和らぎ、ゆっくりと安堵の吐息をこぼす。けれど、まだゴートオルフェノク本人は無傷のまま佇んでいる。
「お前、ツカサと戦っている筈だろうが」
「アイツに手こずるほど私は弱くないさ。花房、私の役割は既に決まっている。そして、なによりお婆ちゃんの…いや、糸色景の死を覆すのは今日だ」
「(私の、死?)」
「ツカサが俺を糸色景に会わせないわけだ。俺はコイツを殺して、力を奪い取るんだろう」
「いいや、お婆ちゃんの力はお前ごときに奪える代物ではない。私が望みさえすれば、運命は絶えず私に味方する。例え世界が違っていてもだ」
RIDER BRAT
左手首にカブティックゼクターを装着した瞬間、ダークガタックの左腕に激しい放電が起こり、刹那の内にゴートオルフェノクは吹き飛ばされ、正門を破壊した。
修理費、足りるかなあ……。
「このクソ女がァ!!」
「生憎、私は良い女だ」
アレはハイパーゼクターの子機なのか。あるいは、ハイパークロックアップを使えないデメリットを抱えた試作品の一つの可能性もありますけど。
せめて、鏡の世界で戦って下さい……。