某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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灰色の雄角 破

もう、限界…!とショドウフォンを握る手を緩めて落とした瞬間、私の隣を駆け抜けていく緑色の着物と袴を身に纏った女性───谷さんがシンケンマルを振りかざして、佳さんとゴートオルフェノクの二人の攻撃を弾いた。

 

「双方、控えなさい。此処に御座すは志葉家十一代目当主、志葉誠輔様です。池波、白石、景先生を連れて後ろに下がって」

 

「解った。景、此方だ」

 

「先生、遅くなりました」

 

「は、はい、ありがとうございます」

 

池波君に抱き上げられたとき、自分の着物が血で汚れていることにようやく気付いた。そっか、限界、間違えちゃってたんだ。

 

ぼんやりと、その事を理解し、私は目を閉じる。

 

少し、疲れました。

 

「糸色、遅れてすまなかった」

 

「志葉様、私は、大丈夫です…鍬形虫の子は私を守ってくれた人ですから、加勢してあげて下さい……」

 

「聞いたな。花織」

 

「えぇ、聞いております」

 

五色の侍。

 

黄金色の兜の家紋を背負った五人に安堵の息をこぼし、池波君に「もう大丈夫だから助けに行ってあげて?」と伝えると、名残惜しげに私を鏡面世界の出口に待機していた黒子の方々に預け、鏡面世界に戻っていく。

 

ああ、良かった……一安心、ですね。

 

ガタガタと動く駕籠の中、私の名前を呼ぶ声を聞きながら、うっすらと血の臭いに混ざって、なにか違う生き物の臭いが漂ってきます。

 

鈍い音と、衝撃を受け、駕籠の外に倒れる。

 

痛む身体を引きずり、血を吐き出す。

 

「やあ、久し振り」

 

「…………たて、し、き、くん……」

 

「やっと抵抗できない状態になってくれた」

 

「んッ…ぃ、や…!」

 

赤く染まった視界の中に見える笑顔の楯敷君の手を押し退けようとするも力が抜けて、もう動けない身体は身体を支えきれず、仰向けになるように地面に沈む。

 

「ゲほッ、っ……かふっ、ゴホッ…!」

 

「死ぬ前にお前の力を貰う」

 

「……いやっ、だ…!」

 

私の身体の真ん中、心臓に重なる位置に右手を押し当てた楯敷君に何かが引きずり出される感覚に襲われ、脳ミソが、『前世の記憶の保持』の抑圧・制御を解除してしまい、私の身体は悲鳴をあげる。

 

要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。要らない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。イラナイ。いらない。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。イラナイ。

 

なにが、いらな

 

ぜんぶ、そう、ぜん、ぶ

 

 

 

イラナイ

 

 

 

「ぐがあっ!?痛ってえぇ…!」

 

メラメラ、メラメラ、燃える?焼ける?

 

身体が、焦げる?

 

「ハ、ハハ、ハハハ!マジか、マジかよ!本当に景の身体の中に潜んでやがった(・・・・・・・・・・・・・・・・・)!よう、神様。あの時に宣言した通り、アンタの力を奪い取りに来てやったぜぇ!」

 

 

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