ゲゲゲの鬼太郎の介入は現実味を帯び始め、ぬらりひょんと懇意にしてしまっている以上、未来の私達の子供は怪しまれているかも知れない。
だけど。龍賀は存在していない世界ですから安心です。存在していたら、この身体が朽ちることも厭わず、私は『地獄の鍵』を解錠していました。
そうならないのは本当に良いことです。
尤も危険な存在や危ない生き物がいることは間違いないです。ヤトノカミ。おそらく日本史上に於ける三度の災厄の一つになる。
白面の者
ヤトノカミ
この二つを揃えてはいけない。幸い、お妙さんが白面の者を人間として育ててくれることは分かりましたから問題はありませんけど。
彼女の亡き後に発起する可能性もあるわけです。
ただ、更に怖いのは安倍晴明────。
「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「安倍晴明」。
「ぬらりひょんの孫」に登場する「安倍晴明」。
「修羅の刻」に登場する「安倍晴明」。
三人の強さと賢さを兼ね備えた一人を生み出してしまった場合、おそらく勝つ方法は億に一つでしょう。それほどまでに彼の存在は凄まじい。
強すぎるから抑えるのは当然。が、その戦術は安倍晴明には通じない。シンプルに彼は強い。体術、陰陽術、どちらも最強その物です。
「(それに楯敷君は必ず安倍晴明に接触して、その力を取り込もうとするはずです。最強のダークライダー、最強の陰陽師、どちらか一人でも大変ですね)」
「景、さっきから黙り込んでどうした?」
「左之助さんは陰陽師って信じます?」
「陰陽師つっーと、あれか?景の実家の」
「そうです」
私のお腹を抱き締めて、そのまま横向きに倒れる左之助さんに巻き込まれて、寝室の布団に倒れ、ポンポンとお腹を優しく撫でてもらえる。
「行灯は消さないんですか?」
「ちょっと寝るまで話すだけだ」
「……そう、なんですか?」
私の眼鏡を外して、箱に仕舞うと胸の辺りまで布団を被せてきた左之助さんの言葉に悩み、どうしようかと考えながら彼の手を握ってみる。
「ん、どうかしたか?」
「いえ、ほんの少し疲れただけです」
そう言いながらも左之助さんの手は止まらず、私の掠れた呼吸を手助けしてくれる肺を布団と胸越しに感じているように思えます。
「今はゆっくりと休みな」
「……そうします」
行灯の火を消して、私の頬っぺたを触り、目を閉じた私の事を見下ろす視線を感じる。左之助さんもすぐに眠ると言っていたけれど。
左之助さんなら、安心できます。
しとりとひとえはまだ居間にいるのでしょうか?