某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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砂かけ婆 急

砂かけ婆と一反木綿、後に鬼太郎ファミリーに加わる妖怪と知り合ってしまった現状にどうしたものかと悩む。特段、悩む必要はないけれど。

 

やっぱり、悩ましい。

 

「砂かけ!」

 

「しとり、目潰し攻撃はだめです」

 

卑怯というわけではないですが、あまり好んで使ってほしいとは思えない技です。そもそも土龍閃を使えるなら、そちらで問題ないはずでは?

 

そんなことを思いながらも危なくないようにしとりに声を掛けると、しとりの竹刀を振るい、地面から振り上がるように半月を描き、くるりと舞い上げた砂塵を切り裂いてしまいました。

 

「(半月斬り。すごい技でしたね)」

 

しとりは同じように竹刀を振っても「飛ばない」剣戟に首を可愛らしく傾げ、どうやったら同じ技を使えるのかと真剣に悩んでいるのが見えます。

 

どんなときでも娘達はかわいいです。

 

「ん!母様、やって!」 

 

「え?」

 

ずいずいっと竹刀を差し出してくるしとりに戸惑いつつ、恐る恐る竹刀を受け取る。竹刀でもやっぱり誰かを傷つける道具は重たい。

 

その重さに耐えるなんて私には無理です。

 

「えいっ」

 

へろり、と竹刀の太刀筋はめちゃくちゃでしとりはビックリしています。ごめんね、お母さんは本当に危ないことが苦手なんです。

 

「ん!ん!ん!」

 

興奮したように手を振るしとり。

 

変なことはしていないと想うんですけど。やっぱり、早々上手くは振るえませんね。毎日、努力を重ねるしとりにはすごいです。

 

とても賢くて偉いです。

 

しとりの事を褒めながら竹刀を返し、ゆっくりと縁側に座り直す。疲れました。いえ、一回振っただけで疲れたというのはちがいますね。

 

こういうときは、なんて言いましょうか。

 

「母様、わたしの竹刀光る?」

 

竹刀型の電光丸を聞いているんでしょうが、生憎と竹刀型の電光丸は未明です。正確には竹刀の素材では、電光丸の高圧電流に耐えることは無理です。

 

どれだけ綺麗にしても竹ですから、燃えてしまう。

 

そうなったら、とても大変です。

 

「しとり、竹刀の他に欲しいものはありますか?」

 

「ほしいもの?」

 

コテンと可愛らしく小首を傾げるしとりは竹刀を縁側に置き、私の隣に座ると、そのまま私のお膝の上に頭を乗せるように倒れてきました。

 

「頭、なでて?」

 

「フフ、良いですよぉ♪︎」

 

ゆっくりとしとりの頭を撫でながら、嬉しそうに目を細め、小さくアクビをこぼす彼女の頬っぺたを、ぷにぷにっと突いて撫でてあげる。

 

しとりは優しくて良い子です。

 

お母さんの自慢の可愛い可愛い愛娘です。

 

ずうっと愛していますよ、しとり、ひとえ。

 

 

 

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