某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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妖怪珍道中 破

私は目の前に並んだイモリの黒焼きに頬を引き攣らせ、しとりとひとえも食べて良いのかを悩みつつ、カワウソの事を見つめています。

 

「親分、部屋は?」

 

「スネコスリの部屋はその敷居の向こうだぞ」

 

「ありがとうございます。カワウソさん」

 

「良いって、人間仲良くだろ?」

 

テシテシと私のお尻を叩いて、そう言ってくれるカワウソさんはいい妖怪なのでしょう。ただ、爪がお尻に当たってチクチクとします。

 

まあ、カワウソですからね。

 

アニメだとデフォルメされていたんでしょうか?と思いながらも親分の部屋に入ると無くしたと思っていた雪駄や帯留め、足袋まであります。

 

「まさか邪魔になったから持って帰れと?」

 

そう足元に寝転ぶスネコスリの親分を見る。すると、親分はフスと鼻を鳴らし、座布団の上に寝転び、頭を動かして棚の方を見つめる。

 

「刀?」

 

「母様は触っちゃダメ」

 

しとりの言葉に伸ばしていた手をとめる。

 

えぇ、そのとおりです。

 

何故、私は棚に突き刺さっている刀を当たり前のように引き抜こうとしていた?いつもなら警戒して絶対に触ることはないはずなのに……。

 

「ひとえも触っちゃダメですよ?」

 

「あい!」

 

「しとり、何の刀ですか?」

 

「ん、これも妖刀。けど、わたしのと違う」

 

しとりは天真爛漫な笑顔を消して、むうっと困ったように可愛らしく小首を傾げています。ゆっくりと引き抜かれた刀の刀身は妖しく妖気を放っている。

 

青緑色の鞘と柄、この妖気の強さ────。

 

「ん!うるさい!」

 

カチンと鞘に納めたしとりは鞘と鍔を紐で巻き付け、抜けないように固定してしまった。カタカタと動く刀に苦笑を浮かべつつ、やっぱり私と左之助さんの子供だと理解して、笑顔になってしまいます。

 

「カワウソ、これの名前わかる?」

 

「えー、オイラやだよ。刀嫌いだし」

 

「ん、じゃあ、母様分かる?」

 

「しっかりと見れば分かるかも知れませんが、鞘に納めたままというのは難しいですね。親分はこの刀をしとりに渡すためにここに来たんですか?」

 

私がそう問うもフスフスと鼻を鳴らすばかりで答えは教えてくれない。スネコスリは人語を話すようになると知っているんですけど。

 

いつになったら話してくれますかね?

 

そんなことを思っていると、左之助さんが怒っているような感覚を感じ取って、そろそろ帰った方が良いかもしれないなと考える。

 

……それにしても、しとりには刀がよく集まりますね。私はなぜか槍や薙刀などと巡り会うことがありますけど。本当に不思議なものです。

 

 

 

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