某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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魔法を使いたい 急

左之助さんとしとりの父娘の語らいは終わって、三日ほど時間は過ぎた頃、ひとえと一緒に庭の端に作った花壇に種を植え、如雨露で水を与える。

 

「良いですか。ひとえ、毎日お水を与えていては花も大きくなれません。適切な量を一週間の内、二回か三回程度で問題ないんです」

 

「あい、ひーも頑張る!」

 

フンスと胸を張って宣言するひとえに微笑みを浮かべ、彼女の成長を喜ぶ反面、しとりと同じように大きく成長した姿を見たいと思ってしまいます。

 

「ひとえは良い子です」

 

「んへへぇ」

 

嬉しそうに笑うひとえを連れて、庭の井戸に向かい、ポンプを押して、押して、押して……おせ、押せない、いつもなら押せるのに力が入りにくい。

 

そう思いながらも桶に水を溜め、石鹸をひとえに手渡してあげ、しっかりと手を洗うように伝えます。そもそも手洗いとうがいは大事です。

 

やっぱり病気は怖いですからね。

 

「かーさま、お花咲くかなあ」

 

「えぇ、ひとえがしっかりとお世話をしていけば、綺麗なお花の大輪のように咲きます」

 

「がんばう!」

 

そう言うとひとえは如雨露で一生懸命芽の出ていない花壇に水を降らせ、ワクワクとしている。フフ、ひとえは本当に素直な女の子ですね。

 

お母さんは嬉しいです。

 

とはいえ、変なことをしちゃダメですよ?

 

「かーさま、かーさま」

 

「はい。なんですかあ?」

 

「お花、まだ咲かないね」

 

「い、今植えたばかりですよ?」

 

「?」

 

ひとえ、まさか植えたら直ぐに咲くと思っていたんですか?とほんの少しだけ驚きつつ、子供ならそう思っても仕方ないですねと納得する。

 

私もそう思った事はありますからね。

 

朝顔だから朝には発芽していると思っていました。あの頃の私は色々と変なことに首を突っ込み、よく起こられて……まさか、二人の周りに起きる妖怪や人の変な出来事は私も影響している?

 

「(流石に、ないですね)」

 

「ねーさまに見せたいなあ」

 

「フフ、きっとビックリしちゃいますね」

 

「あい!」

 

「そろそろお家の中に戻りましょうか?」

 

「んーん、まだ見てる!」

 

ひとえを一人にするのは気が引けますけど。折神達も近くに居ますから大丈夫ですね。しとりとひとえを守るようにお願いしていますから。

 

それにしても、ひとえの貰ってきたお花の種は何の種だったんでしょうね。ひまわりの種にも見えましたけど。ひとえの様子からすると、直ぐに芽の出るお花なのは間違いないですし。

 

「景、ありゃあ何植えたんだ?」

 

「ひとえが貰ってきたものみたいです」

 

「そうなのか」

 

そうなのです。

 

 

 

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