ガツガツ、ムシャムシャ、と咀嚼する音の響く我が家の食卓。一際目立つサメの頭を持つ獣拳の使い手シャッキー・チェンは感涙の涙を流しながら、私の作ったごく普通のご飯を食べています。
「シャッキー、共食いにならねえのか?」
「左之助さん?」
「大丈夫!オレ元々は人間だし!」
そういう問題なんですか?と聞きたい気持ちを押さえながら、ひとえの前に置いた鮭の塩焼きを代わりに身を解し、骨を取ってあげます。
「ありがとお、かーさま」
「フフ、良いんですよ♪︎」
骨の無くなった鮭の塩焼きにお箸を伸ばすひとえを見ていると御櫃に入れていたお米を装って、バクバクと大きな口を開けて食べて、また感涙の涙を流すシャッキー・チェンに苦笑を浮かべる。
「お味噌汁、飲みますか?」
「「飲む」」
「んくっ、んっ、のむ!」
「ん。ひーちゃん、ゆっくり食べよ?」
左之助さんとシャッキー・チェンに負けじといっぱい食べようとするひとえをしとりが優しく諭してくれますが、貴女もお味噌汁のお椀を出していますよね?
みんなに、お味噌汁を装って個魔の方の差し出すお椀にもお味噌汁を装ってあげます。シャッキー・チェンに会いたくないからと影に籠るのは良くないです。
「母者、知らないのか?サメは頭が増えるんだ」
「映画の話ですよ、それ」
「ウソだ。信じない、私はサメは苦手だ」
竜巻、砂浜、雪山、氷河、幽霊、宇宙、密林、多頭、変異、変貌、死体、進化、太古、その他諸々と。
私達の生きていた前世のサメは本当に様々な状況に適応していましたけど。流石に、宇宙のサメはあり得ないと思いますね。
「景、個魔のヤツが何か言ってるのか?」
「サメは頭が増えるそうです」
「オレ、頭が増えるのぉ!?」
「サメさん、ふえるの!?」
自分の将来に恐怖するシャッキー・チェン。
サメが物理的に増えると期待するひとえ。
どちらも大変ですね。
「ねーさま、サメさんふえるって!」
「ん。ヌメヌメするやつ」
「オレ、磯臭いかなあ?」
「まあ、魚だからな」
「サメですからねえ」
そんなことを話しながら、私はシャッキー・チェンの首に掛かっている首飾りを見つめてしまう。アレは「マクの生き肝」に間違いありません。
知っていることがバレたら怖いので、知らない振りを続けるとしてです。サージェス設立に関わるのもスクラッチ設立に関わるのも未来の子供達に任せましょう。
あまり関わるのは宜しくないです。
「シャッキーン!!オレ、復活した!」
「あい!しゃきーん!」
「シャッキーン!!」
「しゃきーん!」
なにあれ、ソーキュートすぎませんか?