「シャッキーン!!」
「しゃきーん!」
ケラケラと楽しそうに笑って、シャッキー・チェンの動きを真似するひとえに彼自身も楽しく思ってくれているのか。サメとしての動きや身体の動かし方をひとえに教えてくれています。
しとりは「父様はサメさん、捌ける?」と左之助さんに呟き、ウンウンと可愛らしく唸って悩んで困っています。しとりは、あのヌメヌメとした肌に抵抗を持っているんですね。
「かーさま、しゃきーん!」
「フフ、シャキーンですね」
「こう!」
「こうですか?」
「ちーがーうーのー!」
「あらあら」
うにゃー!と可愛い雄叫びを上げたひとえは全身に力を込めて、走り出してしまいました。いつもの絵本を読んで笑うひとえも可愛いですけど。
こうやって快活とはしゃぐしとりも可愛くて、とてもお母さんは大好きです。でもね、せめて倉のお片付けがおわってからにしてください。
「左之助さん、どうしましょう」
「オレとしては、景が大股開いて、あんな格好するなら吝かでもないぜ」
「決めポーズだよ、これは!」
まあ、そうなりますよね。
最近の左之助さんはこっそりと描いていた私自身の出来事と体験談、ちょっとした妄想を記した漫画を読み、「景はこういうことされてえんだな?」と笑みを浮かべ、あんなにも……っ、コホン、話が逸れましたね。
あんなもの、もう描きません。
「ひとえは筋が良い!オレの弟子になろう!」
「ひー、サメさんになれるの!?」
「なれるなれる!」
二人とも呼応するようにテンションを引き上げ、その二人に挟まれたしとりは珍しく困っています。いつも笑顔で可愛いしとりもいいですが、へにょっと八の字に眉を曲げたしとりも可愛いです。
「母様、どうしよう?困る?」
「景が引き合いに出されたな」
「困るのは事実ですので」
とりあえず、そうですね。
ひとえは獣拳を習うとして、まずはマスター・シャーフーの許可や助力、しっかりと拳法を学ぶために必要な物事を知るところからですね。
「よし!なら、オレが行ってくる!」
そう言うとシャッキー・チェンは物凄い速さで塀を乗り越え、走り去ってしまった。
「ひとえ、本当に学ぶんですか?」
「あい!とーさまに勝つ!」
「お?言ったな、この野郎」
「うみっ、むうぅぅっ」
むにむにっと両手で頬っぺたを挟まれ、柔らかな頬っぺたを撫でる左之助さんに、ひとえはパタパタと両手を動かして怒っている事をアピールしています。
フフ、可愛いです、ソーキュートです。
「しとりもやりますか?」
「ん!私は母様の頬っぺた触る!」
えぇ?