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「……さっきから言う、しろがねは才賀の取引している組織の奴らの事だよな?」
「そうさね。相楽商会の事は向こうでも耳にしているよ、アメリカ、モンゴル、イタリア、イギリス、フランス、国も国境も関係なく店を作っている。表向きは男の社長だが、本当はその子が牛耳っているんだろう?」
「いえ、そのような事は……」
まるで、私が左之助さんを操っている様な言い草に少し悲しみを感じる。けど、これはルシール・ベルヌイユの取引を有利に進めるための常套手段です。
相手を怒らせ、有利に動かす。
簡単そうに見えるけれど。間違えれば反感を持たせ、友好的な関係は二度と築けなくなる可能性もあり得る。ただ、そういう事に、ルシール・ベルヌイユは向いている人ではありません。
「ぎぃーくん、良い子だねえ」
「僕の名前はギィだ、ギイーじゃない!」
「ホホホ。ギィを手玉に取るとは将来有望そうな娘だ。ケイ、お前さんが怖がるような目を向けても、この子もまだ子供なのさ」
「はい。そのようです」
「先生っ、笑ってないで退かしてくれ!」
「ひとえもあのギィんとこ行くか?」
「んーん、とーさまのおひざにいる!」
そんなこんなと騒がしくなる部屋を出て、二人を連れて我が家に戻ります。お二人とも目的は、私の勧誘、それからもうひとつは才賀アンジェリーナの姿を一目だけでも見るということ。
原作では会えなかった二人が、不器用ながらも会おうとしている。その事実に嬉しさを覚える。その反面、才賀貞義の事を考えてしまう。
今は安全ですけど。
原作よりもなんだか怖い風に思えます。
「ケイ、お前さんの呼吸は浅いね」
「っ、えぇ、分かっていますよ」
彼女の指摘に思わず、私は顔を曇らせる。
確かに、しろがねは感情の起伏は起こりにくいでしょうけど。初対面の私にそれを言うのは酷いです。けど、初対面だからこそ言えるのかも知れません。
「しとり、レッシュさんが苦しそうですからお母さんと手をつないでほしいです」
「ん!」
「フフ、ありがとう。しとり」
そう言って微笑んでいるとまた「ママン……」という呟きが聴こえ、後ろに振り向くと口許を押さえるギィ・クリストフ・レッシュが居ました。
ごめんね。それでも、ありがとう。
あなたのおかげで、みんなは救われる。
全ては、そこに繋がっているのだから、貴方も会えると分かっている。