猛狒折神。
『剛』や『頑』のモヂカラとゴリラの能力を持った折神。ガオゴリラやゲキゴリラなどパワーファイトを得意とするスーパー戦隊の合体ロボットを模造して作った志葉家に献上している折神の一体です。
舵木折神や烏賊折神と侍合体を行えるようにプログラムを組み、猛狒の両腕は舵木折神の胴体を分割し、内部に格納していた拳を使えます。
烏賊折神の胴体は伸びて脚部へと変形し、三位一体のシンケンオーに合体を遂げるわけです。
「間に合って良かったです」
そう呟きながら鏡面世界の中を駆け抜ける柔軟な下半身と剛力無双の上半身の繰り出す痛烈たる連続張り手によって仰け反り、吹き飛ぶアヤカシの姿を私は静かに鏡越しに見つめています。
柔らかな足腰はダメージを分散し、真向勝負の力業に適した上半身は頑強な盾でもあります。攻撃特化に見えて、実質は防御に秀でた侍合体。
「決まりますね」
「ん!決まるの?」
「かーさま、みえない」
鏡面台に映っているシンケンオーは両手首を横向きに合わせて構える、構え自体はドラゴンボールに登場するベジータ王子の必殺技「ファイナルフラッシュ」に酷似し、その構えで放つ一撃は当然の如く────。
掌部に出来た射出口部は発光し、強烈なエネルギー光弾を噴射していく。更に捻りを加える事によって光弾は螺旋状に変化し、貫通力を飛躍的に高める。
「技名はどうなるんですかねえ」
しとりとひとえはキラキラと目を輝かせて、左手をおへそに、右腕を外側に広げた雲竜型の構えを取って戦いの幕を締めるシンケンオーを見つめています。
……名前、ゴリラオーになるのかしら?
無難にヒヒシンケンオーですね。
そんなことを考えながら紆余曲折を経て、ようやく「侍戦隊シンケンジャー」に貢献できた事を喜びつつ、どうしても気になるのは志葉様の事です。
彼は、公私を分けて考える人ですけど。
ここ数日の激化する戦いにかなり悩んでいた。その、子供の事で相談を受けたこともありますが、そういうのは爺やさんに相談してあげて下さい。
というより、そんなことで呼ばないでほしい。
「母様、わたしものりたい!」
「ひーものる!」
「二人とも乗りたいからという安易な気持ちで言ってはダメですよ?志葉様達は、命がけでみんなのことを守っているんです。どうしても乗りたいなら、お父さんより強くなってからです」
「んーーー!!!父様にまだ勝ったことない!」
「むう、ひーかてない」
「フフ、頑張ってくださいねえ?」