某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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私の可愛い娘達 序

贔屓無しに言ってもしとりとひとえは可愛いです。あどけなさを残す幼顔ですが、穏やかな雰囲気、可憐な微笑みはとても綺麗です。

 

まあ、その笑顔の奥底に秘めた好奇心の爆発力は未だに留まる事を知らず、二人ともこっそりと家を抜け出したり、剣道の稽古の帰り道に道草を食い、色々と町の中を探検している事は私はお客さんに聞いています。

 

「しとり、何をしているんですか?」

 

「んっ!!」

 

よじよじと塀の上に登ろうと梯子を立て掛けているしとりを布団を物干し竿に掛けているときに見つけ、その近くで落ちないように立っている個魔の方を見る。

 

「母者、少し散歩に行くだけだ」

 

「ん!そう、散歩にいくだけ!」

 

「ひーもさんぽだよ!」

 

袴を履いて走りやすさを得ている二人に一歩近付いた瞬間、しとりはひとえの事を抱っこし、梯子を駆け上がっていくと電光丸を抜刀し、おそらく着地するときのクッションにしたんでしょうね。

 

───ただ、言えるのはアレです。

 

「心配なので早く帰って来てくださいね?」

 

そう塀の向こうに行ってしまったしとりとひとえに言いつつ、私は二人が怪我せず、無事に帰ってくることを願い、やっぱり視線を感じてしまう。

 

アの三人による尋問を受けた上海マフィアの話してくれた目的は、私の持つ知識だそうです。多分、雪代縁の残した手記か何かを見つけ、私の事を知り、日清戦争に乗じて拐うつもりだったというところです。

 

「ただいま」

 

「あ、左之助さん、おかえりなさい」

 

布団を物干し竿に掛け終えて、ほうっと吐息をこぼしていると左之助さんが正門ではなく、塀を乗り越えて帰ってきました。

 

「正門に何かあったんですか?」

 

「ん、あー、手帳を持った奴らが並んでた」

 

「どこかの記者でしょうか?」

 

私は月岡津南の出版社にお世話になっていますし、今更仕事先を増やしては不義理のように思えます。それに、仕事は誠実にしてもらえる相手が良いです。

 

「追っ払うか?」

 

「いえ、大丈夫です。その手の勧誘は受けないと決めていますし、今日は般若さんが護衛に来てくれるそうですから困ったことにはならないはずです」

 

「アイツが困ったヤツだがな」

 

とても信頼できる愛読者です。

 

こっそりと小説版の「うしおととら」を読ませたら涙を流して原稿は見えなくなりましたけど。あれはあれで良かったのかも知れませんね。

 

「景はアイツの事何気に信用してるよな」

 

「愛読者ですから」

 

良い人も悪い人もいますが、彼ほど私の綴った「物語」にのめり込み、楽しんでくれる人は早々にいないと思います。

 

 

 

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