「拙者を狙う組織でござるか?」
「はい。おそらく雪代縁の所属していた上海マフィアの残党に当たる組織だと思いますが、私と緋村さんを狙う理由が分かりません」
「……拙者と糸色殿を狙う理由。縁の離脱に関わることに手を出したのは拙者と糸色殿でござるが。それだけで恨むでござろうか」
「ま、待って下さいっ。私は雪代縁のマフィア脱退の件には無関係のはずです!」
思わず、そう問うも緋村剣心は不思議そうに「お主は縁を説得した一人でござるが?」と言われ、私は困惑してしまいました。いつ?どこで?と悩むもあの孤島の話しは別だと思い出して、こめかみを押さえる。
あれは違います。
普通に捕まっていただけですし。ほとんど監禁された状態が続いていただけで、私達の事を教えることが出来る人は誰もいなかっ……居ましたね。
たった、一人だけまともな人間が。
「思い付く人物がいたでござるか?」
「生きているのかは分かりませんが、ホムンクルスに変態していない人間時代のドクトル・バタフライなら、取り逃がしてしまった可能性のある人です」
「だれでござる」
「外印です。私と緋村さんのどちらにも負の感情を向けているとしたら彼だけです」
そう言うと緋村剣心も思い出して……思い出していませんね。人間を組み合わせて作った不完全なホムンクルスのほうが物凄くインパクトを与えていました。
「しかし、ドクトル殿が始末を」
「仮にもホムンクルスを作ろうとしていた人間ですよ?そう簡単に死ぬとは思えませんし、なにより北海道のときも怪しく不審な点も多かったです」
何故、あそこまで私の名前は剣客兵器に広まっていた?漫画を読んでいるだけ、姿お兄様に話しを聞いていただけでは説明できない部分もあります。
「おろぉ……拙者、最近腰痛が酷いのでござるが」
「えと、左之助さんの按摩受けてますか?死ぬほど痛いですけど、腰痛や筋肉痛は良くなると思いますけど。ああ、あと姿お兄様から贈り物です」
袖の中に仕舞っていた風呂敷を取り出して、緋村剣心と私達の会話を近くで聞いていた薫さんと明神君、燕さん、左之助さんが、風呂敷の中身を見つめる。
「……これは、何でござるか?」
代表して、緋村剣心がそう呟く。
風呂敷の中身は干物でした。
乾物とも言いますね。
「間違えました。それは私が貰ったものです」
えっと、こっちだったはずですけど?と袖の中に手を入れ、同じ柄の風呂敷を取り出して、干物を風呂敷に包んで袖の中に戻します。
「こ、これは!?」
「刀?」
姿お兄様、なぜ緋村剣心に刀を?