某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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過去は追いすがる 序

外印の存在を他の人達に伝えて、一応の対策や危険性を考慮して活動するようにお願いしました。ただ、私の場合は描いた本の出品をお店でやっているため、対策らしい対策をすることは出来ません。

 

その代わりにお客さんに扮装した御庭番衆や剣客兵器の方々も来るようになり、ちょっとだけ立読みする人は増えてしまいましたね。

 

立読みを咎めるつもりはありません。

 

ちょっとだけ安全な人混みを作っているだけで、本当に私は何もしていないんです。

 

「景先生、原稿貰いに来ました」

 

「貴方は違います」

 

そう言うと私の側まで近付いていた御庭番衆の人によって出版社の変装していた人を捕まえること尽力して貰っています。

 

安心できますけど。

 

やっぱり怖いですね。

 

「糸色殿は変装破りだな」

 

そこまで大層な事はしていませんよ。

 

とは言えです。

 

あまり面倒な物事を押し付けようとするのは止めてほしい。危険だということは分かりましたし、この人数の護衛も分かりました。

 

私は、囮ですね。

 

攻めるつもりはありません。

 

囮ということはドクトル・バタフライの居場所を向こうは掴めていない。核鉄を欲しがっているのでしょうが、ここにあるのは二つです。

 

「景の姉ちゃんはマジですごいな」

 

「明神君も出来ますよ。いつも親しくしてくれている人の偽者ですから」

 

「成る程」

 

そう言って納得してくれた明神君に、ほうっと安堵の吐息をこぼす。あまり褒められたことではありませんし、危険な場所にいる。

 

私は怖いのは苦手なんですけど。

 

「左之助に許可貰ってるのか?」

 

「え?」

 

「ああ、そうだよな」

 

彼の質問に思わず困惑する。

 

こんなことに左之助さんが賛成するとは思えませんし。すごく怒るのは分かっています。だけど、怖いからと逃げても追い付かれてしまいます。

 

それなら私は危険を取り除いて、残り少ない余生を左之助さんたちと過ごしたいです。そのために、私はできるだけ頑張っているつもりです。

 

「でもよ、バレるぞ?」

 

「バレたら助けてくれる?」

 

「無理だな。左之助は怒ると怖いし」

 

それは、そうですけれど。

 

左之助さんも事の重大さは知っていますし、きっと、おそらく、たぶん、もしかしたら、許してくれるかも知れないじゃないですか。

 

そう不安と期待を抱いていますけど。

 

私が、こういうことをすると左之助さんは怒るよりも先に心配してくれます。あのような顔を見るのは、本当に心苦しくて辛いですけど。

 

今回は私を使わないと掴めない。

 

そうドクトル・バタフライは判断しました。

 

 

 

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