某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

1184 / 1184
殺戮の儔 序

左之助さんのところにお弁当を届けるために道を歩いていると、路地から出てきた男の人とぶつかる寸前、彼は軽やかに私の身体を受け止め、ゆっくりと降ろしてくれました。

 

悠久山和尚の様な出で立ち。

 

恐ろしさを感じないけれど、強さを感じます。

 

你一定是糸登庆吧(お前が糸色景だな)

 

「(これは、漢語?苦手なんですけど……えと、確か)不、我是相楽(いいえ、私は相楽です)……それから日本語を話せるのなら、そちらでお願いできますか?少し漢語は苦手なので」

 

我明白了、懂了(そうか、わかった)……いや、分かった?あっているか」

 

「はい。分かりますよ、お上手ですね」

 

「そうか」

 

私の事を見下ろす大きな男性を取り囲み、静かに陣形を取り始める御庭番衆の方々に般若は手形を変えて指示を送り、素早く彼の身体を縛ろうとした刹那、強烈な気迫と共に放たれた震脚は地響きを起こし、彼の身体に巻き付いた縄を引かれ、御庭番衆の方々は豪腕に衝突し、無造作に理不尽すぎる程容易く弾き飛ばされてしまった。

 

「───名は呂虔(りょ けん)、お前の身を貰い受けに来た」

 

「えと、私はもう婚姻を結んでいますので」

 

「糸色殿、おふざけしている場合ではない。早々に逃げて貰わねば我等も自由に動けぬ!」

 

「は、はい!」

 

踵を返して、慌てて私は逃げ出す。

 

後ろの方で殴り合う音、金属をぶつける音が響く最中、ドクンドクンと心臓の音が走る度に大きく不規則で歪に鳴り、酩酊したときよりも酷い吐き気と気持ち悪さに躓き、地面に座り込んでしまう。

 

けど、それ以上に呼吸するだけで胸が裂けるように痛みを訴える心臓と肺を押さえながら、ポタポタと地面に落ちる赤い水滴に、苦笑を浮かべてしまった。

 

「……お前、走るの遅すぎないか?」

 

「げほっ、ごほっ、わ、わがっでまずよ゛」

 

口許を押さえて蹲る私の背中を見下ろす呂虔の事を見上げた次の瞬間、私の目の前に燃え盛る炎が舞い上がり、呂虔の事を退ける。

 

「景ちゃんさん、大丈夫!?」

 

「社長の嫁に手出ししてんじゃねえぞ筋肉達磨!」

 

「景さん、僕に掴まって下さい。逃げますよ!」

 

私の事を担ぎ上げた井上君の成長に嬉しさを感じつつ、昔は私並みに貧弱だったのに数年の成長の速さに涙を流してしまいそうです。

 

「阿爛!そっちの路地に入って!明日郎は弐の秘剣を食らわせてやりなさい!!」

 

「おう!!吹っ飛べ、筋肉達磨ッ!!」

 

その掛け声と共に黒革の手袋が爆ぜる。

 

志々雄真実が無限刃を使い続け、編み出した固有剣技「紅蓮腕」を使った長谷川君に目を見開き、思わず志々雄真実の背中を幻視してしまった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

「某剣客浪漫世界の物書きお姉さん」が本誌だったら?という感じのスレっぽいやつです。▼【本編】▼https://syosetu.org/novel/327970/▼【黒死の蝶の唯一留まる花】▼https://syosetu.org/novel/381420/▼【風薫る日陰に寄り添う妙花】▼https://syosetu.org/novel/387840/▼【か…


総合評価:976/評価:6.42/短編:366話/更新日時:2026年06月29日(月) 22:35 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3106/評価:6.78/連載:88話/更新日時:2026年06月07日(日) 22:37 小説情報

雛見沢とかいう田舎に転生した(作者:that's the plan)(原作:ひぐらしのなく頃に)

人並みの人生を歩んできた男は、寒い冬の日に川で溺れる少年を助けて死んだ。もしももう一度チャンスがあるなら、もっと一生懸命生きる人生がいい。そんなことを考えながら死んだ彼が生まれ変わった先は、田舎の村だった。▼生まれ変わった、そのアドバンテージを少しも活かせないとしても、彼は全力で生きる。目指すはロックスター……とは、いかない。▼温かく見守ってください。初投稿…


総合評価:16778/評価:9.08/完結:116話/更新日時:2026年03月15日(日) 12:32 小説情報

純潔の菩薩姫(作者:まだ半妖の夜叉姫観れてないんだよね)(原作:犬夜叉)

ある日私は、犬妖怪の長女として産まれ落ちた。


総合評価:11145/評価:8.67/完結:19話/更新日時:2026年01月06日(火) 21:00 小説情報

毛利家の次女(作者:残月)(原作:名探偵コナン)

前世の記憶を取り戻した毛利家の次女には秘密があった……▼◇の付いてる話は挿絵付きです。▼レッド・ラム様から素敵なイラストを頂きました。▼毛利千紗のイメージイラストです。▼【挿絵表示】▼AI作成によるファンアートの様ですのでイメージが違う可能性がありますので閲覧の際にはご注意下さい。


総合評価:13177/評価:8.01/連載:122話/更新日時:2026年06月22日(月) 21:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>