「……景、なんだそれ」
「私です。正確には私の身姿を模造した人形になりますけど、動いたり喋ったりする事はないですよ?市松人形と似たようなものですね」
そう言いながら私は縫いぐるみ程度の大きさに整えた人形を左之助さんに差し出した瞬間、いきなり頭を握り砕かれてしまった。
「な、なにするんですか!?」
「此方の台詞だ。前に自分の人形を作るなって言ったの忘れた訳じゃねえよな?」
「え?いえ、これは子供達が遊ぶように作ったものなんですけど……」
左之助さん、しとり、ひとえ、個魔の方、ドンと親分、ボス、薫さん達の人形も差し出す。
「オレの早とちりだったのかッ、すまん」
「いえ、言葉足らずでしたから」
頭を潰されて綿の出た私の人形を受け取りつつ、左之助さんは人形が嫌いなんでしょうか?と思い、縫い針を使って千切れた顔を縫っていく。
裁縫は得意なので楽です。
ただ、左之助さんは自分のデフォルメされた人形を掴んだまま物凄く複雑そうな顔をしていますね。まあ、そういうときもあるのでしょう。
「ん!母様、できた?」
「はい。出来ましたよ、しとり」
「おー!」
キラキラと目を輝かせて、自分のデフォルメされた人形を持ち上げたしとりはみんなの人形を抱き締めて、嬉しそうに広間へと向かっていきます。
居間より広間の方が広いですし、人形でおままごとするなら広い部屋の方が楽しいですからね。私も子供の頃はよくお友達とおままごとしていました。
勿論、前世の、になりますけど。
あのときは楽しかったですね。
「オレの人形で何する気だ?」
「おままごとです」
「おままごと?」
「夫婦のやり取りや家族の話を人形を使って遊んだり、演劇のように遊ぶことです」
もう十代になったしとりも刀やリボンだけじゃなくて、人形にも興味を示してくれてお母さんは嬉しいです。でも、あまり願を掛けすぎると妖怪変化してしまいますから、そこは気をつけてほしいですね。
「ねーさま、かわいい!」
「ひーちゃんもかわいい!」
二人とも可愛いです。ソーキュートです。
「たまに言う。そーきゅーとってなんだ?」
「物凄く可愛いという意味です♪︎」
しとりとひとえは本当に何をしていても可愛くて可愛くて仕方がないです。私と左之助さんの愛娘達は本当に可愛くて可愛くて仕方ないです。
やっぱり、可愛すぎるというのもすごいですね。
大きくなったら、きっと美人さんです。
その姿を見てみたいという気持ちはあるけれど。下手に延命しようとしたら、身体の中にある「特典」が暴走するかも知れませんからね。