某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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分身、写し身 破

私達の事を模した人形で遊ぶしとりとひとえの二人を眺めつつ、定期的に左之助さんの人形のパンチを縫いぐるみの私が受けるところで左之助さんが、物凄く複雑そうな顔を浮かべています。

 

現実ではあり得ないことですからね。

 

そう思うのも仕方ありません。

 

「剣心の人形、なんで逆刃刀なんだ?」

 

「緋村さんと言ったら逆刃刀かと」

 

「そうか?阿呆面もあるだろ」

 

アレは演技です。

 

おどける態度は本心かも知れませんが、私といるときや私が近くにいるときは警戒心を出して、あの「おろ」と言っているのは知っているんです。

 

いい加減、警戒をやめてほしい。

 

私は子供にも勝てない腕力ですよ?この細腕でどうやって貴方と戦えるというんですか。───というより、若干わざと警戒してますよね?

 

そういうところもダメだと思うわけで……。

 

緋村剣心を嫌っているわけではない。

 

「左之助さん、二重の極みしてますよ」

 

「人形がな」

 

「人形がです」

 

クスクスと笑ってひとえの動かす左之助さんの人形は緋村剣心の人形を倒す。アレはあれで大変そうに見えますね。いえ、実際に大変なんでしょうけど。

 

「ん!最強はわたし!」

 

「……ちょっと父親の偉大さを教えてくる」

 

フンスと人形の左之助さんの上に、自分の人形を置くしとりに怖い顔で向かおうとする左之助さんを落ち着かせて、更に全員の下に倒れている私の事を考えてみてほしいです。

 

私、愛娘に最弱認定されてるんですよ?

 

「景は最弱なのは事実だろ?」

 

「せめて、ひ弱にしてほしいです」

 

「ひ弱な景もオレは好きだぜ」

 

「私も左之助さんが大好きですよ」

 

そう言って部屋を覗くことをやめて、居間に戻ろうとした瞬間、やっぱり自分の人形を踏みつけるしとりの人形を許せず、ベチベチと人形のお尻を叩く左之助さんに、苦笑を浮かべながら「本当にもう、なんでですか」とこめかみを押さえてしまう。

 

「むぅー!!!」

 

「本物の父ちゃんに勝ってから勝ち誇れ~?」

 

「父様いじわる!!」

 

「ひーのおしりは叩いちゃやっ!」

 

自分の人形を守るひとえのそばに寄り、左之助さんに怒るしとりの事を眺めます。電光丸を抜き、続けざまに鞘を振るって二刀流になる。

 

姿お兄様の送ってくれた二刀流の指南書をしっかりと読んでいるのは関心です。───関心なんですが、広間だからといって暴れて良いわけではありませんよ?

 

そもそも悪いことはしていません。

 

……いえ、親に斬りかかるのは悪いこと?

 

どちらなんでしょうか。あれはじゃれ合っているようにも見えますから、判断に困ります。

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