某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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ひみつ道具を作ろう 序

ひみつ道具には「能力カセット」という才能を与える道具が存在します。その能力カセットを使えば、私の『前世の記憶の保持』を抜き取り、与える事も可能になるわけですけれど。

 

まあ、明治時代にカセットテープなんていう物は存在していないわけですから、手のひらサイズの小さな巻物に能力の概要と使用法を記し、体内に取り込み、使用するという事になるわけです。

 

────実質、ただの科学忍具です。

 

忍具を作ってしまえば使える人は限られ、ちょうど我が家の護衛に来ていた柏崎さんに試して貰おうと、リストバンド型の「取り寄せバッグ」を差し出す。

 

「科学忍具」

 

「はい。どうでしょうか?」

 

「暗器の仕込みに使えはしますな。儂の様に鉤棍を使う体術を主軸とした忍びでも嵩張らず、手裏剣や苦無、その他の忍具を使用できる。良き道具じゃのう」

 

「では、操さんに贈っても大丈夫ですか?」

 

「構わん構わん。それより般若のヤツが絵襖を描きに来るのは何時になるのかと首を長くして待っておる故。早く来てやってくれ」

 

「あ、あはは、すみません……」

 

忘れていたわけではないんですけど。

 

ほんの少しだけ体調を崩して……いえ、ただの言い訳になりますね。遅れてしまったのは変えようのない事実です。ちゃんと反省しないとですね。

 

「ところで、柏崎さん」

 

「なんですかな?」

 

「ホムンクルスになっていたそうですね」

 

「永劫の命というものに興味はなかったが、孫の子を見て思ってしまったのじゃ。儂が生きて、この子らが道を踏み外さぬよう、見守らねば……と」

 

だからと言って、人をやめるなんて……。

 

いえ、人の人生に口出し出来るほど私は崇高な存在ではありませんから、こうして相手の思いややりたいことを聞いて、理解しようと努力するしか出来ない。

 

物語やその二次創作に登場するヒロインや主人公は自分の意見をハッキリと告げ、その意思を相手に伝えて止めることは出来るでしょう。

 

───ですが、私には何も思い付かない。

 

「どうじゃ。糸色殿もなるかのう」

 

「いいえ、私はなりませんよ。というより、私の身体は人間以外にはなれません。ホムンクルスにもフランケンシュタインにもカラクリにも決して変わることは絶対にあり得ない」

 

「言い切るのう」

 

当然です。

 

私は私のままだからこそ私なんです。

 

怪人に変わってしまった人もいるけれど。それでも私は幸せに生きて欲しいと願っていますし、誰かに私の責任を押し付けるなんていうことはしたくないんです。

 

 

 

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