「他にもあるのかね?」
「一応、忍びに合うものは幾つか」
そう言って巻物型のひみつ道具「ドロン巻き物」という姿を透明にする忍具を見せると、感心したように柏崎さんは私の手の中にある巻物を手に取る。
「口で噛むか、握ると特殊な煙を噴射して姿を見えなくする道具です。時間は数分ですが、逃げるときや隠れるときに役立つ忍具ですね」
「絵に描いたような忍びじゃな」
「今の子供に人気はありますかね。操さんのお子さんに見せるなら、こういうモノより少し派手なモノの方が良いのでしょうか?」
「儂の曾孫じゃし、ハイカラな物を好むわい」
私の言葉に納得する柏崎さん。
「忍空」や「NARUTO」、「烈火の炎」など派手なアクションの多い「物語」と違って、此方の忍びの方々は堅実且つ現実的な忍術の使い手ばかり。
曾孫のために派手な忍術を覚えるついでに、私の護衛に珍しくやって来たというのも頷けます。まあ、正直に言うと忍術系のひみつ道具を作るのは楽しいです。
製作はドクトル・バタフライですけど。
ひみつ道具の「ニンニン巻物」というひみつ道具は動物や置き物に変身する「変化の術」をメインとする道具ですが、ドクトル・バタフライに不破信二が「NARUTO」を教えてしまったため、火遁・水遁・土遁・雷遁・風遁の五属性の忍術をダウンロードした巻物があります。
秘伝や家伝、奥伝など特殊な忍術もありますけど。柏崎さんに渡しているのは「基本忍術」をプログラムして、ダウンロードした巻物です。
「変化」
ボフンと白煙を上げ、柏崎さんは変わる。
「げこ」
「ひぃんっ!?」
ぴょこんっ、と煙から現れたアマガエルに悲鳴を上げ、ガタンと襖を押し倒しながら、廊下に転がってしまうも、畳の上に座っているアマガエルに怯える。
む、虫も苦手ですけど。
カエルも無理ですっ…!
「ホッホッホッ。かわゆいの」
「わ、笑い事じゃ、げほっ、ゴホッ…!」
ドクンドクンとビックリしすぎて痛み出す心臓を押さえ、口許を手で隠すもポタポタと血がこぼれ、慌てて柏崎さんから手と口を隠すも、柏崎さんの罪悪感を滲ませた顔が見えてしまった。
「だ、大丈夫ですよ…柏崎さんが何か悪いことをしたというわけじゃありませんから。そんなに悲しい顔をしないで下さい」
貴方は快活と笑って好々爺を演じているときが一番楽しそうなんですから、そんなに悲しい顔をされてしまっては申し訳なく思ってしまいます。
「……すまない。糸色殿」
「良いんです、もうすぐですから」
今度は、もう無理なんです。