「一旦、止めて。景、アンタが何を考えているのか。流石にアタシでも分かるわよ。アンタ、このまま死ぬ気でしょう?」
ススハムのその言葉に、私は回答しない。
─────けれど。絶対に退かない、回答を得るというススハムの眼差しに私は何も言えない。ううん、何も言わないと言った方が正しいのかも知れない。
私にとってススハムは親友です。
彼女にとっては、お友達かもしれないけど。
その人に睨まれ、凄まれるのは悲しく怖い。
ゆっくりと深呼吸し、彼女を見据える。
「死ぬ気はありません。託すだけです」
「同じ意味でしょうが、蹴るわよッ」
「どうぞ、好きなだけ私を蹴って下さい。それでも私は私の命と、未来の子供の命なら私は母として子供の命を選びます。糸色景として、この世に生まれた理由は世界を拡げ、世界の支え柱になることでした」
言葉を区切り、答える。
「だけど、相楽景は子供のために生きたいんです」
「……アンタは本当にもう…バカでしょ…」
深く溜め息を吐く彼女の言葉に苦笑を浮かべつつ、私は楯敷君の方へと視線を向け、いつもの軽薄さは無く、真剣に私を見つめています。
「楯敷君、私の力を貴方にお渡しします」
「……ああ、ありがとう」
そう言って楯敷君の手が私の胸に伸びてきたその時、私の真横に黒い人影が現れ、楯敷君の腕を蹴り飛ばした。まさかススハム?!と驚くも彼女の方を見るも、彼女は椅子に座ったままだった。
じゃあ、だれが?
「成る程、
「聞いてれば愛だの恋だのくっだらねえなァ?テメエはつくづくバカな野郎だよ、奪って壊してこその世界じゃねえか。好きだから助ける?テメェの女に守る価値なんざありゃしねえ」
「ッ、楯敷君、流石にいきなり現れて、ゼイハブ船長のセリフの改悪は許しませんよ?」
真っ黒な海賊服に帽子、背中にドクロのエンブレムを背負った楯敷君にそう告げるも怒りと憎しみの籠った眼差しが私を射貫く。
「うるせえよ。ソッチの女に絆されて『ラスボス』の矜持も野望も見失ったバカに教えてやる。本物の『ラスボスになりたい』ヤツの覚悟を」
そう言って取り出したのは黒いモバイレーツを取り出す楯敷君に瞬時に動いたのは不破信二だった。テーブルを飛び台にしながら、楯敷君の頭を蹴り抜き、そのまま首に足を巻き付け、地面に叩き落とすと同時に、首をへし折る。
「……オイ。いきなりひでえじゃねえか」
「マジかよ。不死身か?」
「違うね。コイツは覚悟の差だ」
不破信二は飛び退き、仮面ライダー側の楯敷君の隣に着地した。