某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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孤独に耐えきれず 序

定例会議から二週間が経ち、もうすぐ夏中旬を迎える。あの日以降、少しギクシャクとしてしまう私とススハムの関係は未だにお友達のままだけれど。

 

まだ、変わったことは少ない。

 

「景、部屋に戻ってろ」

 

「? どうかしっ……外印、来たんですね」

 

「えぇ、貴女を迎えに来ました。晩年の貴女に永遠の命を与え、私の(ともがら)になって戴きたく思い、こうして本体として来たわけです」

 

そう言って髑髏の頭巾を外した外印の顔は年老い、嗄れていた時とは違う。ウェーブの掛かった金色の髪、青い瞳を持つ好青年の姿に変わり果てていました。

 

シネマ版の外印の姿に少し息を飲み、ゆっくりと呼吸を整えて彼の事を見据える。僅かに漂う防腐剤の臭いと嗅いだことのある臭いが鼻腔を突く。

 

「外印、外法に手を染めましたね。人の皮を被るなんて外道も外道、人として恥ずべき行為です」

 

外法・顔写し。

 

本来は戸隠流の人相を偽造する忍法。

 

その邪法として人の生皮を剥ぎ、顔に貼り付けるという物があります。鬼蜘蛛……いえ、奈落の分身「無双」の行っていた人相剥ぎの行為もこの邪法に該当する。

 

「御明察。流石は糸色景、私の妻に相応しい」

 

「お前の女じゃねえ、オレの女だ」

 

「相楽左之助、お前に用は無い。若々しい時ならいざ知らず、年老い、齢三十を越えたお前に不老不死のホムンクルスたる私を倒す事は不可能だ」

 

節々に感じる違和感に気付いた。

 

あの時、外印は私を見限っていた。自分の物にならないなら殺すと宣言し、その瞬間を左之助さんも緋村剣心も知っている筈です。

 

「……あなた、怖くなったんですね」

 

ポツリとそう呟き、私は外印を見据える。

 

「なにを」

 

「一度、核鉄で繋いだ命を今度は蝶野天爵に負けない身体を欲して、ホムンクルスなんていう不老不死の化生に成り果てた」

 

「────ああ、そうだとも!私は蝶野と同じく死を超越した不老不死のホムンクルスになったのだ!もはや、あやつにも私は倒せない!!」

 

「───けれど。貴方は孤独に耐えられなかった。蝶野天爵と違って外法に手を染める貴方を慕い、歩みを共にする仲間は一人だっていない」

 

「違う!私は孤独などではない!!」

 

「じゃあ、どうして見限った私に縋るのです。妄言盲信妄執、貴方は人としての在り方も捨て、化け物の強さにも耐えきれず、孤独を消すために一度求めた相手にもう一度縋っているだけですよね」

 

───あなた、根本的に間違えているんですよ。

 

「……否、否ッ!!否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否いぃぃなあぁぁぁっ!!!私は間違っていない!!私は賢いのだ!間違えるなど在りはしない!もういい、お前ではなくお前の娘を使うまでだ!!!」

 

その言葉に怒気が溢れ、左之助さんが唾を飛ばし罵詈雑言を吐き捨てる外印の顔に向かって渾身の右拳をめり込ませ、塀を粉砕し、吹き飛ばす。

 

「景、お前は待ってろ。剣心、弥彦、見てたろ」

 

そう言うと塀の向こうから、ひょっこりと緋村剣心と明神君の二人が現れる。

 

「糸色殿、お主はやはり……」

 

「景の姉ちゃん、やっぱり……」

 

な、なんですか。

 

「「いや、なんでもねえや」」

 

「また、黒幕とか思ってるんでしょう!?」

 

違いますから、アレは単なる読心術です。カウンセリングの本や教材を調べているときに、色々と覚えた効果が出てしまっただけですからね!?

 

 

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