外印は流動体の武装錬金を利用し、左之助さん達から逃げ仰せたと聞いたとき、やっぱり逃げに徹すると言う事実に気付き、疑念は確信に変わりました。
外印のホムンクルス化は不完全です。
ドクトル・バタフライの出現し、新しいホムンクルス製造法を編み出すまで、ホムンクルスの身体には章印という弱点を持っている。
しかし、ドクトル・バタフライの編み出したホムンクルス製造法には章印という弱点は存在せず、食人衝動や高カロリーを摂取する必要もありません。
加えて言えば人間性の欠落も少ない。
その利点だけでも高評価です。
「(まあ、今はしとりのことですね)……しとり、あの迅雷義塾の生徒さん以外にも本を読ませましたか?」
そう問いかけると、ビクンとする。
成る程、誰かに見せていますね。別に怒るつもりはありませんが、事前に教えてもらえれば危険な本を仕舞っておける。
流石に子供の読んではいけないグロテスクすぎるバトル漫画もありますし。「ゴールデンカムイ」は大正ぐらいに広めてもらえると助かりますね。
とは言え、です。
危ないものは危ないですからね。
「母様、怒ってる?」
「いいえ、怒っていませんよ。ただ、お約束を破ったことがちょっとだけ悲しいんです」
「ん、ごめんなさい」
「はい。許します。なので、どの本を読ませてあげたのかを教えて貰えますか?全部は危ないから、一巻ずつで構いませんからね?」
「ん!」
こくこくと頷いたしとりは手当たり次第ではなく、しっかりと選んだ本を思い出して、一冊、二冊、三冊、……十冊、今のところ、まだ十冊ですね。
気付かなかった私も私ですね。
『烈火の炎』は認知しています。
あと九冊、なにを?
『ぬらりひょんの孫』『地獄先生ぬ~べ~』『妖怪ハンター』『蟲師』『信長のシェフ』『鬼切丸伝』『心霊探偵八雲』『でろでろ』『虚構推理』────。
ンンンンンッ……。
これは、ジャンルの偏りを感じますけど。
大体、妖怪やバトル漫画なのに、燦然と輝くグルメ漫画の『信長のシェフ』に私はどうしたらいいのでしょうか。いえ、何も悪いことはないんですけど。
「終わった!」
「はい。ありがとうございます」
まだ、続きを書いていない作品もありますし。そう思えば難しく考える必要はありませんね。もっと、恋愛漫画を書くべきでしょうか。
しとりも初恋を……済ませてますね。幼なじみで許嫁という王道を歩いていますし、ひょっとしたら私と同じ時期に結婚するかも知れませんね。
すごく楽しみです。