某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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蝶の羽撃きは止まらず 破

糸色本家の十日間の滞在を終えた左之助さんは少し疲れた様子で蛮竜を担いでいる。本当なら直ぐに東京へ帰る予定だったけれど。

 

お父様の駄々によって四日も長く滞在してしまい、蝶野爆爵の話していた私と左之助さんを狙っているという集団の情報を得られずにいた。

 

しかし、蝶野爆爵と名乗っていた彼の言葉に嘘はひとつも混じっていなかった。だから気になるのだ、私達を狙っているという集団、明治政府の関係者だと考えると斎藤一は敵……っていうのは違うわね。

 

「さっきから何ウンウン唸ってるんだ?」

 

「ああ、いえ、少し考え事を」

 

左之助さんの問い掛けに応えようと彼を見上げた瞬間、街道沿いの道の真ん中に、いきなり洋服を身に付けた複数人の男女が現れる。

 

……タイミングが良すぎるのでは?

 

「癖毛と眼鏡の女、大鉾(ランス)の男、見つけたぞ」

 

「また厄介事に巻き込まれたのか。ったく、本当にオレが居ねえと駄目みたいだな。景は後ろに下がって待っててくれ」

 

「すみません。でも、ありがとうございます」

 

彼の優しさを嬉しく思い、一歩、二歩、三歩、ゆっくりと後ろに下がって錬金の戦士と思わしき彼等と向かい合う左之助さんの背中を見守る。

 

「我々の目的は三つ。大逆の裏切り者ヴィクター・パワードの所在地、ドクトル・バタフライと名乗る協力者の捕縛および抹殺だ。そして、お前達を我々の仲間、錬金戦団に引き入れる事だ」

 

いや、倫理観の欠落したクズ組織時代の錬金戦団には入りたくないです。自分達の失敗を子供に押し付けた挙げ句、自分達の失敗を無理やりねじ曲げて、たった一人に責任を押し付けるじゃないですか。

 

チラリと何人かが私を見つめる。

 

「オイ。喧嘩に力のねえ女巻き込むつもりか?」

 

───けれど。蛮竜を薙いで地面に亀裂を作り出した左之助さんの気迫と僅かな怒気に気圧され、私を見つめていた人達は核鉄に手を伸ばした。

 

「「「武装錬金ッ!!!」」」

 

左右の拳を包んだ炎のグラデーションを宿す「無敵手甲」よりも大きく肉厚な装甲を纏うマゼンタとライトグリーンの籠手型(ガントレット)の武装錬金の男の人。

 

無数の弾丸が込められたボール状の変わったシリンダーを搭載したコバルトブルーとガンメタリックの異質なフォルムをした回転式拳銃型(リボルバー・ピストル)の武装錬金を構える女性。

 

そして、左之助さんと会話していた男の武装錬金は奇しくも左之助さんと同じく巨大な刀身を持つ蒼天を想わせるスカイブルーの騎槍型(ランス)の武装錬金である。

 

マダラ馬鹿(戌亥番神)参謀銃士(佐度島方治)、そんで槍使い(オレ)か。随分と似たり寄ったりな奴らが居るもんだな」

 

そう言って笑った左之助さんが軽く横薙ぎに蛮竜を振るい、ゆっくりと蛮竜を肩担ぎに構える。その頼もしく大きな『悪一文字』の背中を見つめる。

 

 

 




うむ、遂にR指定を投稿してしまった。

ちょっとだけ、変な気持ちになるわね。
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