まさか私にそんな可能性があったなんて想像もしていませんでした。バトルヒロインの私も存在しているのかと期待したものの、そちらは皆無だそうです。
「しかし、いつ私は目覚めるんでしょうか?」
「今、こうしてお話ししている時間も現実では二分も過ぎていませんよ。私達はひみつ道具こ時間概念干渉を受けませんし、その影響ですね」
成る程、確かにその通りですね。
不破信二の場合、その不敗の概念によって「武器を使うのは女々しい」という影響を受け、ひみつ道具の効果を受けず、どこでもドアやタケコプターも使えません。
「ヒーローマシン」は架空の人物を呼び出し、戦える効果を追加したおかげで遊べます。が、不破信二の本気を引き出せた人物はまだ居ません。
「私は幸せですか?」
「はい。私は幸せです」
「私は幸せになりましたか?」
「はい。私は幸せになりました」
「今回のドクトルの妙案をお伝えします。私の持つ『物語を繋げる能力』を二分割し、貴女と私の身体に別けるというものです。貴女に多大な負荷を掛けてしまい、申し訳ありません」
「フフ、構いませんよ。世界は違えど貴女は私なんですから、自分にぐらい弱音や本心を語ってもバチは当たりませんよ」
そう言って向こう側の私の頭を優しく撫でてあげ、痛みは同じだからと安心させる。怖がりで、臆病で、一人だと動けなくなるのは同じです。
「……あまり自覚していませんでしたが、そういうことするから悪い人に狙われるんですね」
「ど、どういうことですか?」
「私達は人に優しすぎるんです!」
「それは、良いことなんじゃ……」
「いいえ、叱ることは出来ても怒ることの出来ない私達は、ただでさえ妖しさを纏っているんです。誰彼構わず優しくするのは控えましょう。ね?」
「……えと、頑張りましょう?」
ウンウンと手を握り合って私達は頷きます。
彼女のほうが二歳ほど年下ということもあり、今の衰弱して痩せてしまった私よりも生気を感じ、こんなに元気だったと感慨深く思ってしまいます。
「……そういえば、そちらのしとりとひとえはモヂカラを使えないのでしょうが、何かしらしとりとひとえは使えるのですか?」
「幽霊を倒せます。そちらはあの世が異なる『幽☆遊☆白書』も描いていますから」
───閻魔大王様が、三人もいるの?
「フフ、アルティメット閻魔大王様です」
「阿修羅様ですよ、それ」
クスクスと笑う向こう側の私に苦笑を浮かべつつ、なんだかおかしくて笑ってしまったのは本当です。