某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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爆心の鎧 序

日本甲冑の付喪神を我が家に引き取って三日ほど経過し、ドンと親分、ボス、影茶碗は妖怪のお友達が増えたことを喜ぶように動き、駆け回っています。

 

その後ろをひとえが付いて歩き、付喪神もひとえが転ばないように庭をゆっくりと歩いて、時おり振り返って彼女の事を見つめている。

 

それから私は「糸色對」ではなく「相楽景」(旧姓は糸色だと説明しました)と丁寧に教えて、ようやく理解して貰えました。ただ、本人は姫様呼びから御母堂様に変わったのは、しとりとひとえのおかげです。

 

「(しかし、汚れを磨いて分かりましたけど)」

 

甲冑の胴当ての馬ん中に『爆』の文字を刻んでいるという事は、あの付喪神が糸色境君の探していた爆心の鎧なのでは?と考えてしまう。

 

「ん!母様、刀貰った!」

 

「刀を?」

 

「御母堂様、上姫様に御献上をしました」

 

嬉しそうに刀の鞘を撫でるしとりは鯉口を切り、スラリと小太刀を抜刀し、シャリンと横薙ぎに小太刀を振るう瞬間、しとりは手首を返し、上に切り上げる。

 

「? ばんちゃん、刀が震えてる」

 

「まさか紅霞が共鳴を!?」

 

べにがすみ。

 

紅霞。

 

確か逆髪の結羅の持っていた刀ですが、折れて小太刀に打ち直されたようですね。絶対、戦骨が拾って灰刃坊が打ち直したんでしょうね。

 

「景、爆心って書いてあるな」

 

「えぇ、爆心です」

 

バクシンバクシーンではありませんよ?

 

うっ、頭の中に桜吹雪が…。

 

「しかし、境のヤツが持っていったあの鎧はどうなってんのかねえ?」

 

「多分、未来で活躍していますよ」

 

「あの鎧も来んのか……」

 

「さて、どうでしょう」

 

「まあ、そんときゃそんときだな」

 

そう言うと左之助さんは刀を鞘に納めて、ジッと付喪神の事を見つめるしとりの腰を掴み、抱き上げるとひとえも抱っこをせがみ、両肩に娘を乗せています。

 

とても可愛いです、ソーキュートです。

 

「ドン達も行ってきて良いんですよ?」

 

フスフスと鼻を鳴らして、ドンと親分、ボスは駆け出していき、左之助さんではなく付喪神の身体に乗っていき、そのまま押し倒してしまった。

 

みんな、楽しそうですねえ。

 

私は影茶碗をお膝の上に乗せて、そんなことを考えていると左之助さん達の動きが変わり、追い掛けっこを始めてしまいました。

 

どうやら付喪神が毎日手入れされてフサフサしているドンの尻尾を踏んでしまい、ものすごく怒らせて、しとりもひとえも楽しそうにキャーキャーと笑っています。

 

危なくなったら止めますけど。

 

その心配は必要ないかもですね。

 

みんな、楽しそうです。

 

 

 

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