しとりとひとえはトウモロコシの甘さに嬉しそうに震えて、とても可愛いです。ただ、左之助さんと付喪神は甘いものより辛いものが好きなようです。
お酒好きだからでしょうか?
「そろそろお芋も出来ましたね」
「ん!食べる!」
「ひーもたべる!」
「塩とってくるか」
「左之助さん、ついでにお醤油もお願いします」
左之助さんは部屋の中に戻っていき、小瓶に詰めていた塩とお醤油を手に戻ってきました。寸胴鍋は重たいので退かすのを左之助さんと付喪神に頼み、金網の上に茹でたトウモロコシを並べる
本当はバターを溶かしたお醤油を使って味わって欲しいんですけど。どこぞの華族がバターを買い漁っているらしく、買い物に行っても買えません。
パチパチと滴る水滴で弾ける焚き火の音を聞きつつ、刷毛を使って砂糖と醤油を混ぜたタレをトウモロコシの表面に塗り、トングを使って左之助さんに差し出す。
「どうぞです」
「おう。ありがとうな、アチッ…ん?ん!?」
ガブガブと噛み付いて焼きトウモロコシを頬張って目を見開く左之助さんの様子に焼き芋を食べていた筈のしとりとひとえもソワソワとしています。
「大人の味だぜ」
「ん!しとりも大人だから食べる!」
「ほんとかぁ?」
「ん!剣ちゃんとチューしたもん!」
「グフッ…!?」
自分でしとりに聞いて、自分でダメージを受けている左之助さんに苦笑を浮かべつつ、「熱いから気を付けてね?」としとりとひとえに焼きトウモロコシを差し出すと、同じように噛み付いて、パッ!と目を見開く。
とても可愛いです。ソーキュートです。
「母者、私も食べたい」
「フフ、ちゃんと用意していますよ」
ドンと親分、ボスの分は身を削いで少し冷ましたものを焼き芋と一緒に其々のお皿に盛り付ける。みんなでご飯を食べるのは、とても良いことです。
なによりも子供の笑顔が素敵です。
みんなで仲良く食事をする。あと何回かも分かりませんが、こうして二人の笑顔を忘れないように見続けているのも良いかも知れませんね。
「景は食わねえのか?」
「ちゃんと食べてますよ。みんなの食べる早さがすごいだけですから、もうちょっとゆっくり食べないとお腹を壊しちゃいますよ?それに、夕御飯が入らなくてもいいんですか?」
そう言って、バクバクと食べるみんなに聞くと動きが止まって悩んだ末に、みんな食べてしまった。まあ、しとりとひとえは成長期ですから、もっといっぱい食べてほしいですね。
二人にはお腹いっぱい食べてほしいんです。