「認めない!私が、この様な最期など!」
責任転嫁。
自分の過ちと積み重ねた罪を認めず、私の近くに来ようとする外印を見下ろす凍座白也の視線は猛者や強者と対峙し、歓喜に震えていた時と打って代わり、まるで汚ないものを見るように外印を見ていた。
「
グシャリと外印の顔が踏み潰された。
しかし、彼の身体は再生を開始する。
ホムンクルスとしての弱点とも言える「章印」を持っていない外印は、死ぬことは出来ない。死ぬことが出来るとすれば武装錬金を使え、身体を粉微塵に砕ける強さを持つ人間だけ。
────けれど。
この時代の錬金戦団の人間は私利私欲のために武装錬金や錬金術を使っている。そこに死にたくてやって来たヒト型のホムンクルスが居たら、どうなると思います。
答えは、人体実験です。
「帰るぞ。糸色殿」
「……はい、外印。貴方の事は苦手ですし、まだ怖いですけど。私の描いた物語に心を揺さぶられ、それに応えようとしてくれた事は嬉しかったです。けど、もう二度と私達の線は巡り会えません」
そう言って私は頭を下げる。
「律儀じゃのう」
「例え敵対しているからと言って、すべて悪いと決めつけるのはよくないです。ちょっと空想と現実の区別をつけられないほどにのめり込んでしまった」
それが、外印という人間の正体です。
妄想を現実に変える事は出来ます。
しかし、空想は空想です。
妄想を思い描き、努力すれば届く。
それでも思って願うばかりの空想では決して辿り着く事は出来ません。人を止めて、孤独にも耐えきれず、逃げるばかりではダメなんです。
私も最期を迎えるときは、そうします。
「凍座さん、貴方もやっぱり左之助さんや緋村さんと雌雄を決したいんですよね」
「うむ、儂は戦って死にたい」
快活とした笑顔が私を見下ろす。
「凍座さん、今から四年後に清国と戦争を始める事になります。そして、今はまだ誰も知りませんが、更に十数年後には露国と戦争になります」
「予知か?」
「いいえ、未来です」
ゆっくりと凍座白也の目の前に立つ。
「露国と戦争になったとき、おそらく貴方は全盛期の強さを失っています。ですが、どうか私の大切な娘達の事を守って欲しいんです」
「極めて了解だ。この凍座白也、糸色家の者と成った日よりお主の願いを叶えると決めた。我等、剣客兵器はいつまでも御方に刀と武を預けよう」
「……ありがとうございます、白也さん」
私に片膝をついて、目線を合わせてくれた彼にお礼を言いながら私は安堵してしまう。